盲信／em ページ24
「あっ！」
エミくんが、人を殴った。
ヒドい。相手は丸腰なのに、金属で殴った。
その人の顔はよく見えない(見れない)けど、チェックのシャツに見覚えがある。うそ。知り合い？
「なにをやってんの！」
と、想像上の私は言っていた。
ただ、エミくんの殺気が凄まじかったから、本当の私は腰抜かして後ずさってた。
「…Aお嬢様？」
振り返ってからいえよ。いつものエミくんじゃない。
優しくてヘタレのエミくんがスキ。
「アﾞぁ…血…、」
殴られた人がさぞ苦しそうに言うから、今度こそまずいと思考を巡らした。
でも私が考えるより、エミくんの手が早かった。
ゴッ！とさっきより響く音が鳴って、思わず耳を塞いだ。声も出ないのだ。殺される。
「いらっしゃるんですか？」
コワイ、コワイって。
もう本当に何やっちゃってんの。エミくんのバカ。エミくんのノータリン。エーミールのハゲ。
本当に怖いと何故か顔を覆ってしまう。
顔が見えない。見れないよ。
「お嬢様、如何なさいましたか」
「…エミくん」
関西訛りのイントネーションが、私の安心を誘う。
そうだ、この人はエーミールだ。今朝だって私の髪を結ってくれた。いつも優しくて、
「やっぱりその呼び方、少し照れますね」
ああよかった。エミくんだ。
「今何してたの？」
「仕事です」
「血が、ついてるよ」
「？必要な仕事ですよ、お嬢様」
そう言ってエミくんは私の肩を抱き、庭から家の中へと誘導した。
「お勉強しますか？最近日本史の点数が振るわないらしいやないですか」
「家庭教師は来てるの？おやつは？」
「私がお教えしますよ。今日はどら焼きです」
「知ってるでしょ！食べれない！」
「食べられない、ですよ。お嬢様」
先にお部屋に戻っていてください、とまたどこかへ行ってしまった。私が見たのは幻覚？驚くほどいつも通りだった。
だから深く考えることはなく、1人で廊下を歩いていた。
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さかなしょこじゅん - 令霊さん» ありがとうございます！！！！！とっても嬉しいです。ぼちぼちまた更新してまいります！！！ (5月7日 21時) (
レス) @page32 id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
令霊(プロフ) - 前作のしきからずっと大好きな作品です。気が向いた時にでものんびり更新してくださると嬉しいです。 (5月5日 23時) (レス) @page11 id: 3183f8a143 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 思った以上に想像で補って頂けて嬉しいです！笑 分かります、具体的に何がいいかって聞かれるとわかんないんですけどなんかいいですよね。なんか。 (11月24日 7時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - ciくんのやつで主ちゃんが56されちゃったあとに、スパイが発見されて優秀なコマがひとつ減らされることまでが計画的犯行だったとか、あと数日56すのを待てば助かったのかとか自責の念でciは苛まれて欲しいですね…、そういうの好きです^_^ (11月24日 2時) (レス) @page11 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - なんも思いつかねえ (11月21日 0時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年11月11日 0時
