シティポップ／Ci ページ16
「この街ももうあかんなあ」
ゆっくり私を撫でながらチーノさんは言った。
黄砂と自然災害と、その他色々積み重なって出来たのが今の私たちの街。
かつて最も栄えたこの街は、ぼろぼろになって、見たことないものが飛び交って、世紀末状態。
空が狭くても、空気が汚れてても、私を育ててくれたれっきとしたふるさとだったから、好きだったのに。
「しぬ？」
「せやね」
「あそ」
あまりに残酷な言葉だけど、もうたくさんの人が犠牲になってて、私たちだけが助かる理由がない。
なんともいえない気持ちが胸に刺さった。
捨てられて居場所をなくしてた私を拾ってくれたのがチーノさんで、愛情をなにも知らなかった私は簡単に彼の虜になった。
18になった今でも、恋心を拗らせていた。
ずっと彼と居たいというワガママはどうやら叶うみたいで。死ぬその時まで、私の隣はチーノさん。
「こら」
勝手にCDデッキに手を伸ばせば、優しい声が聞こえる。
「A機械音痴なんやから、もう」
「うたかける」
「なにかけるん？」
外では銃撃戦が始まって、窓から見える街は薄い琥珀色で、なにもかも嫌になるような景色なのに、私はずっとここにいたいと思った。
お金持ちの人たちはお金を使って色んなところに逃げていくけど、私たち庶民にはそんな権力はない。
だからこれでよかった？
「しぬのこわい？」
「Aが死ぬのは嫌やなあ」
「うん」
適当に相槌をうつ。
私だってチーノさんが死ぬの、絶対嫌だ。
私だけでいい。
「ごめんな、守れなくて」
「や」
「大好きやで」
「…私も、だいすき、守りたかったよ」
「A〜…もう、」
ぎゅううと抱きしめられれば、体温が直接伝わってきて落ち着く。
終わりと隣合わせの私たちは、悔いの残るような生き方ができないから。
本当に、突然やってくるものだから、言いたいことはすべて伝えなきゃ。
「チーノさん、ずっと私と一緒にいてくれ」
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さかなしょこじゅん - 令霊さん» ありがとうございます！！！！！とっても嬉しいです。ぼちぼちまた更新してまいります！！！ (5月7日 21時) (
レス) @page32 id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
令霊(プロフ) - 前作のしきからずっと大好きな作品です。気が向いた時にでものんびり更新してくださると嬉しいです。 (5月5日 23時) (レス) @page11 id: 3183f8a143 (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - 田中さん» 思った以上に想像で補って頂けて嬉しいです！笑 分かります、具体的に何がいいかって聞かれるとわかんないんですけどなんかいいですよね。なんか。 (11月24日 7時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - ciくんのやつで主ちゃんが56されちゃったあとに、スパイが発見されて優秀なコマがひとつ減らされることまでが計画的犯行だったとか、あと数日56すのを待てば助かったのかとか自責の念でciは苛まれて欲しいですね…、そういうの好きです^_^ (11月24日 2時) (レス) @page11 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
さかなしょこじゅん - なんも思いつかねえ (11月21日 0時) (レス) id: 2941b15b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかなしょこじゅん | 作成日時：2023年11月11日 0時
