見知らぬ人 ページ1
「…お前、俺の元カノに似とる」
「……は？」
突然の出来事に、不意に声が出てしまった。
私は買い物に出かけていて、疲れたから公園のベンチに座っていただけだ。ここの公園は珍しく人も少ないし、私の唯一落ち着ける場所だ。人なんて清掃の人か、老人しか来ない。そんな場所に今日は若い男が来た。
あっすまん、と言いながら口を抑える見知らぬ男。一体誰なのか。…同級生？はたまた従兄弟……できる限り記憶をひねり出すが、どうしても出てこない。
「……誰ですか？」
「顔とかは似とらんけど、なんかこう……雰囲気というか」
私の話が聞こえていないのか、あるいは無視をしているのか……質問に対して男は答えなかった。
「…………あの、それは褒められてるんですか？」
もちろん褒めてるで！と、軽く笑みを浮かべ笑っている。
「そ、そうですか…」
zm「俺はゾム。お前は？」
「……」
勿論言うわけが無い。全くの赤の他人に名前を教える程馬鹿では無い。少しの沈黙が続いた後、彼ははぁとため息をつく。
zm「まぁええわ。今日はいい天気やな」
「そうですか……？」
今は曇りで、良い天気とは程遠いだろう……しかしそれを口にすることは無く、無言で下を向いていると彼は何かを思いついたようにこちらを見てきた。
zm「……ほんで、名前は？」
「……言いません」
zm「なんでや！俺はもう言ったやん」
「あなたが勝手に言っただけでしょう？じゃ、もう行きます」
そう言ってベンチから立つと、彼も勢いよく立ち上がる。そのまま去ろうとするが、手首を強く握られ動けなくなってしまった。
zm「なぁ、お前彼氏いるんか？」
「？！離してください！」
zm「おるんかぁ、寂しいなぁ」
ニヤニヤとしながら、彼は私を下から見てくる。恐怖で声が出ず、固まっていると。
zm「なぁ、暇やし、デートせんか？」
「……はい？」
何を言ってるんだコイツは。そんな呆れ顔になってしまっていたのか、彼は急いで弁明をしてきた。
zm「い、いや、デートって言っても親睦会みたいなもんや！」
「え、いやちょっとまって……」
zm「もしかしてホンマに彼氏おったんか？！」
「……違いますけど」
zm「ならええやろ」
「……いや、ダメですって」
zm「なんでや」
そういうと、男……ゾム？さんは子どもの様に不貞腐れた顔をする。この人一体何歳なんだ……
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czkuIGPD6aIdsxK(プロフ) - みーのさん» ご感想ありがとうございます！！ご感動頂けた様でとても嬉しいです！！ありがとうございます！！ (11月4日 19時) (
レス) id: 669efb0b81 (このIDを非表示/違反報告)
みーの - もうゾムさんの犬系っぽい感じとかほんと最高でした…プロポーズするときとか、一回焦らされたような感じでこっちもドキドキしましたw プロポーズのとこめっちゃ涙流しました…小説お疲れ様でした…！ (11月4日 14時) (レス) @page49 id: c910479154 (このIDを非表示/違反報告)
czkuIGPD6aIdsxK(プロフ) - みなもちさん» ご感想ありがとうございます！！番外編でも引き続き力を入れて行くのでよろしくお願い致します！┏○ﾍﾟｺｯ (10月31日 17時) (レス) id: 669efb0b81 (このIDを非表示/違反報告)
みなもち(プロフ) - ものすごく面白かったです……！！！最初の出会いからプロポーズするまでの流れがとても完璧でした！！本当に大好きな作品です！！番外編も楽しみにしてます！！ (10月31日 16時) (レス) @page41 id: 422edee945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱいなぽー x他1人 | 作成日時：2023年10月22日 21時
