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ここにAがいたら、抱きしめて優しく撫でて『大丈夫だよ』って言って、安心させてあげられるのだろう。
レイにこれが出来るのは、ノーマンでもエマでもなく、Aだけだった。
レイはエマを横目に続けた。
「特にAの笑顔が今も離れねぇんだ。・・・・・あいつ、出荷されるとき、ハウスの事を何も知らないくせに、今生の別れみたいな事言いやがって笑ったんだぜ？・・・・・・嫌でも忘れらんねぇよ。」
レイの瞳は涙で溢れそうになっていた。声も心なしか震えている。
「二度と会えないのに忘れられねぇの、意外としんどいんだぜ、A・・・・・。」
堪えきれなくなって、つう、とレイの頬に涙が伝った。
レイが泣くのは仲間や兄弟が関わる時。
最期に泣いたのはノーマンが出荷される前だっただろうか。
普段感情を表に出さない人だからこそ、泣くイメージが無い。
けれど昔は泣き虫で、その姿を見てエマとノーマンも泣いたことを、エマは覚えていた。
「・・・・・・レイがAに似た、ってあながち間違いじゃないのかも。」
ぽつりとエマが呟いた。
だが、似た部分が仲間想いと他人のためへの自己犠牲なんて。
だからいってエマが特別できることは見つけられなかった。
何もできないことを悟ったエマは心が苦しかった。
加えて今まで他人に干渉してこなかったのに、こんなにAに固執するレイが不思議にも思えてしまった。
「・・・・・ねぇ、レイ。レイにとってのAって、どんな存在なの？」
エマの問いに、レイは涙を拭って少し悩んだ様子を見せると、エマが今まで見たことないような、愛しいものを見るような目で、まっすぐな声で言った。
「失いたくなかった、大事な人。」
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フィルア(プロフ) - 道端のマカロンさん» コメントもご指摘もありがとうございます・・・・！修正させていただきます！！完結まで見守っていていただけると嬉しいです！ (2021年11月18日 14時) (
レス) id: 12393e8720 (このIDを非表示/違反報告)
道端のマカロン(プロフ) - 一気読みして、お気に入り追加させていただきました！次の投稿楽しみにしています！それから、｢ミネルバ｣ではなく｢ミネルヴァ｣が正しい名前ですよ〜(´▽｀ ) (2021年11月15日 18時) (レス) id: 785eafa2ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィルア | 作成日時：2021年10月5日 17時
