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実際、ノーマンの頭脳はとんでもなく優秀だった。
Aからすれば、テストでフルスコアは当たり前、作戦を立てるのは昔から得意な子だと思っていたから、特別驚きはしなかったが。
いつのまにかAやヴィンセントよりもΛ破壊計画を先導するようになり、いつの間にか『ボス』や『帝王』なんかと呼ばれるようになっていた。
「私がΛにいる間に戦略立てるの上達してるね、ボス。」
「Aまでそうやって呼ぶの？せめてAは名前で呼んでよ。」
「えー？どうしよっかなー？」
ケラケラ笑うAに、ノーマンは少し呆れたように笑った。
昔のAは、笑いもするし喋る方ではあったけど、どちらかといえば大人しい方だった気がする。
だが今は、少しやんちゃになっただろうか。
表情が豊かになったように思う。
この性格の変化が、Λの実験に関係しなければいいのに、と切実に願っていた。
すると、Aから笑顔が消え、不安そうな表情を見せた。
「・・・・・・ねぇ、ノーマン。」
「ん？」
「・・・・・レイ達、逃げられたと思う？」
ノーマンは作業の手を止めた。
隣に座るヴィンセントは興味がないのか、そのまま作業を続けていた。
「あんなに自信あるように信用してたのに、今更？」
「不安なものは不安じゃん。当初目標にしてたレイの誕生日はとっくに過ぎてるのにΛに来てない。」
既に1月15日は過ぎていた。
そのせいもあってAの不安は余計に増しているようだ。
それに、とAは続ける。
「レイの頭脳なら被検体としてここに来てもおかしくないだろうし、もしここに来てたら”お兄さん”が分かるはず。Λに来てないってことは、脱獄できたか、出荷されたかのどっちかって考えるのが妥当でしょ？」
心配なのだろう、手が震えている。
ノーマンと合わせられたAの瞳からは、今にも涙が溢れそうだった。
Aの震える手を取って、ノーマンはハッキリとした口調で言った。
「大丈夫。皆ならきっと逃げてくれた。・・・・・僕らはもう、信じて待つ事と計画を実行することしかできないよ。」
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フィルア(プロフ) - 道端のマカロンさん» コメントもご指摘もありがとうございます・・・・！修正させていただきます！！完結まで見守っていていただけると嬉しいです！ (2021年11月18日 14時) (
レス) id: 12393e8720 (このIDを非表示/違反報告)
道端のマカロン(プロフ) - 一気読みして、お気に入り追加させていただきました！次の投稿楽しみにしています！それから、｢ミネルバ｣ではなく｢ミネルヴァ｣が正しい名前ですよ〜(´▽｀ ) (2021年11月15日 18時) (レス) id: 785eafa2ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィルア | 作成日時：2021年10月5日 17時
