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Aも1度だけ見たことがある。
スミーに連れられて、実験児が入ることはない鬼とやりとりをする場所に行った時だ。
同じGFだが別のプラントから出荷された子がそこにはいた。
これが人間か、なんて思った。
あの時の衝撃は今でも忘れない。
だから、Aはこう尋ねた。
「・・・・・・衝撃、だったでしょ？」
Aの問いに、ノーマンはゆっくり頷いて口を開いた。
「そうだね。・・・・・で、僕たちはずっと、脱獄の準備をしてきた。多分、実行するのはレイの誕生日前日だ。」
聞き間違いだろうか、いやそんなわけない。
想像もしていないその言葉に、3人は驚きを隠せなかった。
「え？」
「ハウスを脱獄？」
「君たち、正気か！？GFの周りは崖だ。入口の門も奴らが守りを固めている。しかも、GFの特上が逃げ出すなんてなったら、誰も黙ってないぞ！？」
あの農園を、ましてやあの高級農園GFの監視を外部と連携を取らずに脱獄なんて、非現実的だ。
ノーマンは続ける。
「エマとレイだけじゃない。ハウスの食用児全員で。」
ノーマンの言葉を聞いて、あまりにも無謀だと感じたヴィンセントとスミーは、絶句で言葉が出なかった。
Aは何も言わず、じっとノーマンを見つめていた。
少ししてからやっと、スミーが言葉を紡いでいく。
「・・・・・無茶だ。それをやろうとして、どれだけの食用児が犠牲になったと・・・・しかも、幼い子もいるのに、全員で脱獄・・・・・？正気じゃない。」
「それをやりたいって、エマが言ったんだ。」
スミーが頭を抱える中、はっきりと答えるノーマンの言葉にAはつい、笑ってしまった。
「・・・・・・皆のこと大好きなエマらしい。」
あのオレンジ頭の元気印が言いそうだ。
言葉も、なんとなくわかってしまうくらいには、エマが相当望んでいることなのだろうと察しがついた。
そして、それを実際にこなしてしまうだろう、ということも。
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フィルア(プロフ) - 道端のマカロンさん» コメントもご指摘もありがとうございます・・・・！修正させていただきます！！完結まで見守っていていただけると嬉しいです！ (2021年11月18日 14時) (
レス) id: 12393e8720 (このIDを非表示/違反報告)
道端のマカロン(プロフ) - 一気読みして、お気に入り追加させていただきました！次の投稿楽しみにしています！それから、｢ミネルバ｣ではなく｢ミネルヴァ｣が正しい名前ですよ〜(´▽｀ ) (2021年11月15日 18時) (レス) id: 785eafa2ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フィルア | 作成日時：2021年10月5日 17時
