5 ページ7
悟が泡の出るバスボムを買ってきたと言うので、大きな浴槽の中に10個も入れてしばらく待つ。
「悟は泡が出るの好きだね」
なんて隣で鼻歌を歌いながらお湯を掻き混ぜる悟に言う。
「子供っぽくてAはヤダ?」
「泡風呂って気分良くなるよね。私も好きだよ?悟の髪と同じ綺麗な色だよね。傑は?」
「私も好き。Aの匂いに似てる。柔らかい花と石鹸の香りが落ち着く」
眉根を下げて私を見る悟に、私も湯船に手を入れながら綺麗だと答える。そうしたら悟は嬉しかったのか、先程よりも強くお湯を掻き混ぜた。
傑が嫌だったら変えないといけないな、とか思いながら聞いてみたけれど傑も好きみたい。
言われて気づいたけど、このバスボムの匂いは、私が使っているシャンプーの匂いとほぼ同じだ。悟も傑も私の髪の匂いが大好きだから好きなのかも。
「そうだ。傑、ちょっと私のところ来て」
「うん?分かった」
不思議そうに首を傾げて傑が私の目の前までやって来る。私の目に映るのは結えられていない黒く長い髪。
艶々していて良く手入れされていると分かるその長い髪は、今日に限って珍しく下ろされていた。そんな傑に後ろを向かせる。
「せっかく髪洗ったんだから、泡が付いてまた洗う羽目になったら嫌でしょ。はい、お団子。私とお揃いだよ」
「ありがとう!私、髪留め忘れてきちゃって不快だったんだ。Aとお揃い嬉しい。髪伸ばしてて良かった」
手首につけていたラメ入りの髪留めで、傑の長い髪を1つにまとめる。私のお団子を指差してお揃いだね、と言えば傑は私をぎゅうと抱きしめる。
その後ゆっくり湯船に浸かってからまた寝室の方へと戻り、2人の首輪に鎖をつけ、寝室のベッド近くにつけたポールにそれをつけた。
2人が歩くたび、動くたび、鎖の鈍い音が部屋に響く。そんな支配的な音に2人はうっとりとして私の手にキスを落とした。
もう夜が更けて2人とも船を漕ぎ始めた時、私は彼らに硝子とご飯に行って来ると告げると、泣き出しそうになった2人の顔。
「硝子ともね、4日ぶりに会ったから2人だけでご飯に行きたいの」
「A、ちゃんと戻って来る?良い子にしてたら早く帰ってきてくれる?」
「私たち、捨てられないよね?今日、良い子だったよね?」
「私の可愛い子たち。大丈夫。できるだけ早く帰って来るからいい子にして寝ていてね」
そんな彼らの頭を撫でて家の鍵を閉めた。
1741人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆかり(プロフ) - 次の作品のパスワード見たいので教えてください! (3月30日 23時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
♡ - 私と手を繋ぐこと許してあげるとか夢主何様だよ爆笑 (3月8日 23時) (レス) @page6 id: 4a3a97ff3f (このIDを非表示/違反報告)
花ノ園(プロフ) - てんごくさん» 当方の作品を読んでくださりありがとうございます!まだまだ更新していくので今後ともよろしくお願い致します!真理に気付いてしまうとは、さては色々な作品を読み込んでおられますね? (3月5日 17時) (レス) id: e5dd021f40 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - 花ノ園様!!!わたくしはッ、貴方のお陰でッ性癖が捻れに捻じ曲がってなんかもう、大変な事になっております本当に!!!元々、こういうのは、好きだったのですが…!この、神作を見てッ(これの前作読んだ後花ノ園様の作品を読み漁りました、幸せでした。)真理に気付きました (3月5日 16時) (レス) @page14 id: d31d16bd17 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ園(プロフ) - ふじさん» 続編が約2年後という超重鎮出勤で申し訳ないです....ページたっぷりで更新して行く予定なので、今後ともよろしくお願いします! (3月5日 15時) (レス) id: e5dd021f40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ