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難しい顔をした直人さんの前に、山下さんと並んで座る。
そもそも、直人さんと山下さんって知り合いだったの?
そしたら、割引券あげた私ってマヌケじゃない?
でも、お店で山下さんを見かけた事ないし…
どういう事?
私の頭の中には?がいっぱい。
で、目の前には難しい顔をしている直人さんがだんまり…
『あのー』
そろそろ帰りたいなって直人さんに声をかける
そんなのお構い無しで、直人さんは腕組みして質問タイムに入った。
『Aちゃんさ、そのお客様なんだけど
他に何かされたりしたの?』
『連絡先聞かれたり…』
『うん』
『オーダー運んだ時に手を握られたり』
『『はっ!?』』
ここで、直人さんと山下さんがハモって私を見た。
『なんで言わないの。俺、初耳なんですけど』
『だって、いつも臣さんが助けてくれてたし…』
はぁーーーーってため息をついた直人さんと山下さん。
タイミングが合いすぎて、こんな時なのに笑っちゃいそうになる。
『直人さん、今日は俺がたまたま通りかかったから未遂で済んだけど、だいたい女の子をこんな時間まで働かしたらアカン!マジで危ないで?』
『それはほんとゴメン』
『いえいえ!今までだって残ったことあるけど、こんなの今日が初めてだし…直人さんだって思いもよらないですよ』
『それは、何もなかったから言える事やろ。
もし、あのまま連れて行かれて、取り返しがつかんような事があっても、そう言えんのか?』
山下さんの言葉に、私は俯いて押し黙る。
『A、ほんとにごめん!これからはどうしても頼まなきゃいけない時は、誰かに送ってもらうようにするから。まぁ臣になると思うけど…』
『あ……はい』
もう夜はいいよ
じゃないんだ。
嫌じゃないけど、やっぱりちょっと怖いし……
『直人さん、そん時は俺に連絡してください。』
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時