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『おっはよーございまーす』



連休明け、元気よく出勤



『元気すぎ(笑)』


臣さんが、いつも通りサイフォンの準備をしながらお出迎えしてくれた。


『充電満タンだもーん』



『良かったな(笑)どこ行ってきたの?』



あのねって開店準備そっちのけでカウンターでお喋り。



『コテージがいっぱいあって、露天風呂もついてて……』



『マジで!?めっちゃいいじゃん!』



『うんうん。臣さんも今度行ってみたら?』



那須高原の広報さながら魅力を熱く語ってたら、また直人さんにペシっと頭を叩かれた。



『おノロケはそれぐらいにして働け(笑)』



『……はーい』




幸せすぎて、ふわふわしながら接客してた。




その日のカフェタイムが終わった後、可愛らしい男の子が入ってきた。



『あ……すみません。19時からの営業なんです』




『あ、いえ、僕、バイトの面接に…』



バイト?
岩田辞めるのかな?



『直人さん、バイトの面接って方が…』




『ありがとう。裏に来てもらってー』



『こちらにどうぞ…』




男の子を裏の休憩室に案内して、後片付けをしている臣さんの背後に回った。




『臣さん……』




『うわっ!ビビるからやめろってマジで!』




『ごめん。バイトだって、聞いてた?』




『うん。Aの代わりにって言ってたけどな』



は?
私の代わり!?

辞めるなんて言ってないっ!

幸せボケしすぎてクビになんの?



『あの……私……クビ?』




『え?健ちゃんから何も聞いてねぇーの?』




『???健二郎さん?』




『そろそろ来んじゃない?聞いてみろよ』




全く他人事の臣さんは、さっさと後片付けを済ませて裏に引っ込んだ。



『A!お待たせやでー、待った?』



健二郎さんが、いつも通りの笑顔で迎えにきてくれたけど、上手に笑えないよ。




『健二郎さん、今ね、バイトの面接の子が来てて…』



『そうなん?』



『私の代わりらしいんだけど……』




あーそれかって健二郎さんが困ったように頭を掻いてから教えてくれた。




あのキモ男が、健二郎さんが休みの土日に店の近くで私の帰りを待ってるところを偶然見たこと。

問い詰めると、一人になる瞬間を狙ってたって言ってたこと。

土日、仕事の関係で迎えに来れなかったり、1人で出かけることもある。


そんな時に私に何かあったら……



だから、直人さんに、私の休みを土日にして欲しいって頼んだこと。




『何かあってからでは遅いやん』

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時

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