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ランチの後、またまたサイクリングして、そろそろ日が暮れる。




『めっちゃ健康的なデートやったなぁ』




私のアパートの前で健二郎さんが笑ってる。
すごーく楽しかったから、このままバイバイは少し寂しい。




『あ、あの、ご、ご、ご飯食べていきませんか?』




『え?』




『いや、あの、だから…ご迷惑じゃなかったら…』



俯いて、もじもじしている私の頭を健二郎さんがポンポンしてる。



『ええの?疲れてない?』




『全然!大丈夫です!』




『頼もしいな!俺の彼女さん(笑)』




ほんとはね、もうクタクタなの
明日は両足パンパンで、フロアの仕事出来ないんじゃないかな?って思うくらい。
でも、まだ18時だもん。
一緒にいたい。




『毎日チャリ通だから大丈夫!』




そんな強がりを言って、健二郎さんの腕を引っ張って自分の部屋に帰った。




『えっと……何か食べたいものありますか?』




『んー。なんでもええけど…和食かなぁ?』




おっと!いきなりハードル上げてきたな

なんて思いながら冷蔵庫を物色する。



『肉じゃがなら出来ます。お魚もあるし』



『じゃあ、それで(笑)』



小さな圧力鍋を出して、じゃがいもの皮を剥いたり、玉ねぎ切ったり。



『へぇー、じゃがいもの皮剥くのめっちゃ上手いやん』



気配もなく後ろに立っていた健二郎さんに心底ビビった。



『もぅー、急に声かけないでくださいよ。
びっくりして指切りそうだったし(笑)』




『ごめんな?そやけど、その敬語、どないしたらとれるんやろな?』




『ごめんなさい。まだまだ慣れなくて…』




『うん。ええねんけど…』




『気を付けま……る』




気を付けまるってなんやねん(笑)
健二郎さんはキャッキャッと笑いながら私を後ろから抱きしめた。




『健二郎さん、危ないよ』




『ん。ほな、これ置いといて』



私が握りしめている包丁を抜き取ると、まな板の上に置いた。


コトン


その音が耳に響いた時、健二郎さんの唇が私の頬に当てられた。





そんなこと甘い時間の最中、炊飯器がご飯出来たよーとお知らせして、二人で苦笑い。



『健二郎さん、お風呂どうする?入る?』




『風呂は……自分の家で入るわ。着替えないしな』



『ですよね……じゃあ、肉じゃが出来上がるまでソファーにでも…』




『おん』




そう言ったくせに、結局出来上がるまでキッチンで私を抱きしめたまま

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時

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