チャリ恋 (ページ21)

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好きだなって確信して
だけど、一緒に帰る仲より進展もなくて

なんなんだろうなぁ私達

毎日毎日、そんな事ばっかり考えてるから
ミスの連発で嫌んなる。

『好きです！付き合ってください！
って言っちゃいなよ(笑)』

『そんな簡単に言うけどさ…』

客足が途絶えた14時過ぎ、今日もカウンターで恋愛相談。

前まで、好きだ好きだと言っていた人相手に、よく恋愛相談なんてしてんな、私。
自分の神経の図太さに笑っちゃう。

笑えないのは、自分が今置かれている現状。

『そういえばさぁ、アイツ最近来てねぇよな？』

『誰っすか？』

『お前と健ちゃんのキューピッドの…』

私と健二郎さんのキューピッド？？？

『え？もしかして、あのキモいやつ？』

『そうそう。あのキモいやつ』

『やめてくださいよ。あんなやつがキューピッドとか、先行き不安でしかないわ』

『確かに(笑)上手くいったとしても、感謝したくねぇよな(笑)』

顔をしかめる私と、笑ってる臣さん。
冗談でも、こんな事言うんじゃなかった。

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その日は、バイトの岩田がちょっとだけ遅れるって言うから、それまで残ることになった。

『急に頼んでごめんね。これ、食べといて』

直人さんがそっとカウンターに私の大好きなパンケーキを置いてくれた。
食べることが大好きな私は、美味しいもので釣られる事がよくある。

『直人さん、それ俺が作ったやつね？(笑)』

『もう言わなきゃわかんないのにっ！』

自分の手柄のようにパンケーキを出した直人さんが、作ってくれた直己さんに突っ込まれて
わちゃわちゃしてる。

言われなくてもわかってたのにって、カウンターでケラケラ笑ってたんだ。

20時過ぎ、岩田がやっと来て、私は裏口から出て、らぶちゃんに跨がった。

今日は土曜日で健二郎さんはお休み。
だから一人で帰るんだ。

すっかり安心してた。

だって、ここ２ヶ月近く、１人の時もあったけど、何にもなかったもん。