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らぶちゃんに乗って、カフェから少し離れた自転車屋さんへ
風が気持ち良くてこのままどっか行きたい気分
『あれ?パンクちゃん?』
パンクちゃん?
振り返るとパンクを修理してくれた人が行った道を戻って来てくれた。
『あっ!昨日の……』
『こんなとこで何してん?』
『パンクの修理に……そこの』
少し先にある自転車屋さんを指差した。
『今んとこ大丈夫そうやな。よー見てもらいや』
それだけ言うと、関西弁の人はまた立ち去ろうとした。
『あ!あの、お名前だけでも教えてもらえませんか?』
『俺の?別にええけど…山下健二郎や』
『山下さん……』
『せや!健ちゃんでええよ(笑)』
いやいや、らぶちゃんの恩人にいきなり健ちゃんだなんて……
呼べませんよ〜
『あ!あの、これ!』
さっき、こっそりポケットにしまった カフェの割引券(お得意様用)を差し出した。
『え?くれんの?』
『は、はい!私、ここで働いてて…良かったら』
『あー、そうなんや。うん。せっかくやからもらっとくわ!ありがとう』
山下さんはニコニコしてお財布にしまってくれた。
『ここ、人気ある店やん?嬉しいわ』
『割引券ですみません』
『なんでやねん(笑)ほな、またな』
山下さんを見送って、自転車屋さんにらぶちゃんを預けた。
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時