020 ページ20
『で、健ちゃんとはどこまでいってんの?』
病院を出てお店に帰る途中、臣さんはまるでお天気の話をするように聞いてきた。
『どこまでって……どこも行ってませんよ』
『そうじゃなくてー、付き合ってたりすんの?って聞いてんの!』
いや、わかってますよ。
すっとぼけてみただけです。
『なんかさぁー、いい感じじゃね?』
『そうですかぁ?』
『健ちゃんって、趣味が生き甲斐でさー
あんなに女の子にマメなとこ見たことねぇもん』
臣さん、無責任なこと言わないでくださいよ!
それを本気にしちゃって舞い上がって、実は帰り道1人じゃつまんなかったから……
とかの理由だったらどうしてくれるんですか!
『でもぉー、そんな雰囲気じゃないです』
そうかなぁ?って臣さんはデニムの後ろポッケに手を入れてブラブラ歩いてる。
『臣さん!』
『んー?』
『私、魅力ないですか?女の子としてどうですか?』
『可愛いと思うよ?見た目も中身も』
そうなの?
『でも、臣さん全然相手にしてくれなかったじゃないですか』
『俺、メイいるし……』
『い、いなかったら?』
『んー、メイがいなかったら……とか考えんのも嫌(笑)』
ケッ!
聞くんじゃなかった
あほくさ……
『健二郎さんに相手にされなかったら、メイさん貸してくださいね!スイーツの食べ歩きする!』
『ご自由にどうぞ(笑)』
暑くもなく寒くもなく
きれいな青空が広がる昼下がり
健二郎さんが好きなんだって
確信した。
317人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時