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は?
とか言いながら、休憩時間なのをいいことに、臣さんと二人で健二郎さんが働いているという病院にやって来た。
ここらでは一番大きな病院で、ロビーというか受付というか、自動ドアを通り抜けた待ち合いは、所々に観葉植物なんかも置いてある、開放的な明るい雰囲気で
『南国のホテルみたいですねぇー。行ったことないけど』
『病院の待ち合いが暗いと、良くなるもんも悪くなる気するもんなぁー』
『ですよねぇー』
二人でバカな会話をして、総合受付のところまで来ると、お支払い窓口の後ろの方に健二郎さんが座ってた。
『…いた』
『健ちゃん、真面目に仕事してる(笑)』
後ろの方にいる健二郎さんを二人で観察して、受付のお姉さんに変な目で見られて
『怪しまれてます。私達』
『健ちゃん全然気付かねぇ(笑)』
こそこそ話してたら、健二郎さんが顔を上げて
びっくりした顔をして出てきてくれた。
『何してんねん(苦笑)』
『Aの社会見学』
『え?(笑)』
健二郎さん半笑いだし……
『Aが健ちゃんの働いてるとこ見たいって言うから連れて来た(笑)』
ちょっとちょっとー!
そんなん一言も言ってねぇーし!
『お、お、臣さん!?』
1人涼しい顔してる臣さんと、目を合わせて真っ赤な顔してる 私と健二郎さん。
『そ、そうなん?俺、ちゃんと仕事してるからな!
安心して。ほな、今日も帰り迎えに行くから……』
健二郎さんは、立ち去る間際に私の頭にポンと手を置いて、さっきまで座ってたデスクに戻った。
『臣さん、帰りましよ』
『もういいの?』
『だって……』
さっきから健二郎さんが、シッ!シッ!ってしてるもん。
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時