チャリ恋 (ページ16)

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18時に仕事をあがって、健二郎さんが迎えにきてくれるまでバーの準備を手伝う。

テーブル席のシュガーポットを片付けて、代わりにキャンドルを置いていく。

『あれ？A何してんの？』

くそ生意気な岩田が近付いてきた。

『見たらわかるでしょ！』

『時給稼ぎしてんの？』

『は？』

バカじゃないの？
私、これでも社員ですぅー
バイトのあんたとは違うっての！
コイツ、欲しいものがある時とか、無駄に昼間もバイトに入ってくるから自分と一緒だと思ってんの！

『私は月給だから！あんたとは違うの』

『残業代とか出るんでしょ？』

うっせぇーな
ほっとけよ！
他人の給料事情

『バーの時間に頼まれた時だけね』

『ふぅーん』

おいおい！
途端に興味なしかよっ！

ほんとムカつくわ

岩田の後ろ姿にあっかんべーをして、フロアの照明をダウンさせて…

そうこうしているうちに、健二郎さんがドアから顔を出した。

『Aちゃん！お待たせやでー』

『健二郎さんっ！』

パタパタと駆け寄った私の頭をポンポンとする

『ほな、帰ろかー。裏回っとくわ！』

健二郎さんは、直人さんに軽く手を上げて外に出ていった、

お疲れさまでしたって直人さんに声を掛けて、鞄を取りに休憩スペースに入った後ろから

『え？なんで健二郎さん？なんで？』

と、ついてきた岩田をフル無視して外に出る。

『あれ？健二郎さん自転車は？』

『今日はバスやねん。自転車やと話出来へんやろ？』

もうやだー！
優しすぎ