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いつもはカウンターの隅っこで、臣さんを眺めて過ごす休憩時間。



前までの私だったら、その時間を潰されたらマジギレしてたのに



目の前で、美味しそうにランチを食べてる健二郎さんを眺めて心が落ち着かない。




『Aちゃん食べへんの?』




『た、食べますよ』




健二郎さんはニコニコ笑ってて、私も一緒にニコニコ。




『Aちゃん、何時までここおるん?』





『基本的には18時までです。19時からバーになるから』




『ほぉーん』





ほ、ほぉーん?


ちょっと苦笑いして自分の賄いを頬張った。




『18時はちょっと無理やけど待っといて?
今日も送ってくわ』




『え?え?でも……』




『昨日の今日やん?帰り道一緒やしな。しばらく一緒に帰ろ』




どうしよ……
私、臣さんが好きなはずなのに……
ドキドキしてる。





『そうしてもらいなよ』




いつの間にか隣に立っていた臣さんが私を見下ろしてニコニコしていた。

こんな顔見たら、その場駆け足しちゃうぐらい騒いでたのに……

どうしちゃったの?私




そんな事を考えて、ぼぉーっとしていた。





『あ!嫌やったら無理せんでもええねんけど…
やっぱり心配やし…』




目の前の健二郎さんが私の顔を覗き込む。




『そんな!嫌なんて全然!すみません。よろしくお願いします』




『ん。ほな、帰りに寄るわな』




『…………はい』





一人、うんうんと頷いている健二郎さんを、またぼぉーっと見つめていると、頭にポンと手が乗った。




見上げると、臣さんがニヤリと笑ってカウンターに戻って行く。




頭をポンってされたのに……


私、違うことにドキドキしてる。

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時

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