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お店の裏口から外に出て、らぶちゃんの鍵を外す。
『あの!今日はありがとうございました。
いつもいつも助けていただいて……』
ペコペコと頭を下げる私を、健二郎さんは うんうんと頷きながら笑ってる。
『そんなん気にせんでえぇよ。
家どこら辺なん?今日は遅いし
もしかしたらってこともあるかもしれんから送って行くわ』
『え?そんな……申し訳ないですから』
『いやいや送らせて?
そやないと、家帰ってからも気になってしゃーないし。こっそり後つけるわけにもいかんやん?そんなんしたら俺がストーカーになってまうしな(笑)』
よく喋る山下さんをポカンとして見上げた。
『帰ろか!どっち?』
裏口から大通りに出て、右左を人差し指でチッチッとしている。
なんか可愛い。
『あ……えと、左です』
『そやろー?そんな気がしててん(笑)』
絶対嘘だろ(笑)
足がちょっと右に行きかけてたじゃん!
『ふふふ……』
『なに?どないしたん?』
いきなり、しかも助けてもらった人に
あんた面白いね!
なんて言えるわけないからね(笑)
『なんでもないです!自転車で20分ぐらいかかっちゃうんですけど……』
『おっ!結構距離あるやん?
どないする?押してく?遅なるしなー。
Aちゃんが前走って、俺が後ろからついていくわ』
『えっ?』
『俺、道知らんやん(笑)振り返ったらAちゃんが曲がってたとかおもろすぎるやろ(笑)』
そうだけど……
そん時は声かけるよ。
次、右に曲がりまーすって……
それにしても よく喋るな(笑)
すごく楽しいかも!
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年10月1日 0時