青春メランコリー桃赤 (ページ6)

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最近、休み時間になると俺のクラスの廊下に人だかりができる。

その理由が、まだ学校生活に慣れない重岡に流星と神ちゃんが色々と教えにやってくるから。

学校一の美形といわれる流星と、その面倒見のいい性格から女子だけじゃなく男子にも人気な神ちゃんが、何かと話題の転校生である重岡に毎回の休み時間に会いに来るんやからそりゃあ女子たちも気になるわけや。

授業終了のチャイムがなるやいなや廊下に女子たちが溢れ、少しでも3人を見ようと、話を聞こうと必死になっている。

あまりにも人数が多くて先生に注意されるも、女子たちは何のその。

ほんまあの強メンタル尊敬するわ。真似はしたないけど。

｢あーこれ一言言った方がええやつかな｣

｢流星やめとき。去年の事件忘れたん？そうやって注意しに行ったけど、話し声でかき消されて結局聞いてもらえんかったやん｣

｢2人ともすごいなぁ｣

｢しげ？これしげのファンの子も居るからな？気付いてる？大丈夫？あー俺めちゃくちゃ不安になってきた。ちょ、この子教室に持って帰っても？｣

｢神ちゃん、落ち着いて｣

廊下が煩くても、隣の話し声はちゃんと聞こえる訳で…

神ちゃん、それはあかんやろ。こんな所で暴走せんといて。ここ演劇部の部室ちゃうねんから。

流星も神ちゃんもファンの子が話すイメージがどんどん大きくなりすぎて、訂正のしようが無くなってしまってから本当の性格をあまり表に出さなくなった。

性格が違う、って言われたくないんやって。

どの性格だって話し方だって、趣味だって、その人自身の何にでもないのにな。