壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ6)

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101話ページ6

アーサー「このことを大臣たちに報告しなくては•••••。
すまないが、一旦中央の城に戻る。」

カイン「わかりました。パレードと叙任式も延期しますか?」

アーサー「いや、予定通り行う。＜大いなる厄災＞にみまわれた人々には希望が必要だ。

おまえたちの力を借りてばかりで申し訳ないが、どうか、協力して欲しい。」

『うん、わかった。』

カイン「喜んで。」

リケ「・・・・・・わかりました。」

シノ「パーティとパレードって? 出たら、名士になれるのか?
ブランシェットの旦那様みたいな。」

アーサー「英雄になれる。みながおまえの活躍を待っているぞ。」

シノは眉を上げて笑った。

シノ「英雄か。悪くない。」

カイン「面白いやつだ。人嫌いで目立つことが嫌いな東の魔法使いらしくないな。」

シノ「オレには欲しいものがある。」

短い答えを残してシノは去っていった。

アーサーも中央の城に戻っていった。

巨大生物の出現のせいだけではなく、彼の顔はどこか暗かった。

育ての親のオズに冷たくされたのだから当然だろう。

けれどAにはそうは思えなかった。

あの時、アーサーの紋章を紋章を見たオズは、とても驚いていたというのもあるだろうけど、悲しんでいたと言ってもいいような瞳をしていたのだ。

賢者の魔法使いになってしまえば死ぬまでそうだと聞く。

ならば、オズはアーサーにはなって欲しくなかったのではないだろうか。

少しの間といっても、一緒に過ごした家族のようなものだし。

少しはアーサーに情はあったと先程のオズの表情･行動を見てAは考えていた。