壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ49)

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144話ページ49

ミスラ「じゃあ、その辺歩いてきます。話しかけてきた相手と、仲良くすればいいんでしょう?」

スノウ「誰もおまえさんに話しかけんような気がするが･･････。
自分から話しかけてみるといい。」

ミスラ「はあ……。なんて?」

ホワイト「ごきげんよう、とか。」

スノウ「いい天気ですね、とか。」

ミスラは苦笑して、肩を揺すった。

ミスラ「わかりました。人間はくだらないことをしたがりますね。」

スノウ「殺すなよ」

ホワイト「殺したらいかんぞ」

ミスラ「まあ、努力しますよ」

ぶらりと歩き出すミスラを見やって、双子はAに言った。

スノウ「ちと、心配なので尾行するでの。
本当はまだ一緒におりたいが…。」

ホワイト「賢者もゆるりと楽しんでおれ。」

『あ、はい。』

Aは素直に頷き、また傍にあるグラスを手に取った。
もちろん今度は水だけど。

さっきから自分に視線を向ける輩がいるせいで、ずっと居心地が悪かった。

視線だけで会場を見渡すと、バッチリと目が合った人物がいた。

それは、オーエンだった。
少し不気味な笑みを浮かべている。

次の瞬間、気づけばバルコニーにいた。

『え······ !?』

オーエン「やあ。」

『オーエン......。
さっきまで中にいたはずなのに······。』

オーエン「僕が呼んだんだ。」

『どうして？』

オーエン「僕には友達がいないから、話し相手になって欲しかったのさ。賢者様に。」

Aはふーんと言った感じにオーエンを上から下まで見つめた。

カインの言った通り、目の色は違う。本当に入れ替えたのだろう。

そんな考察は置いておいてAは頷く。

『いいよ。何して話す。君の事？私の事？』