壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ43)

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138話ページ43

スノウ「......オーエン......」

ホワイト「そなたもか……」

オーエン「………はは」

死人のような青年が薄笑う。
その姿を見た瞬間、目を離せなかった。

微笑む彼の瞳の奥には人らしい感情が、一切見当たらなかった。

オーエン「ひどいなあ。誰も僕を歓迎してくれないのかい。
北の魔法使い、オーエンだよ。よろしく。」

かつこつ、と静かにオーエンが広間を前に進んでいく。

皆、青ざめた顔で足元を見てオーエンと目を合わせようとしなかった。

ただ一人を除いて。

カイン「オーエン·····」

オーエン「…おや、騎士様。よく似合ってるじゃないか、僕の目玉。」

『(あぁ、そうだった。彼、目を取られたんだっけ…)』

Aはあぁ、と言うようにカインとの話を思い出した。
ホントにあってたまるかって話である。

カイン「おまえの姿だけ見えるとは……。皮肉なものだな。」

オーエン「ふふ･･････。何言ってんの。」

オーエンはおかしそうに笑みを含んで扉を振り返る。

続いて、姿をあらわしたのはAも会ったことのある人物だった。

ブラッドリー「ちっ…。北の魔法使い、ブラッドリー。」

『わぁ、いつの間に…』

いつかの夜に突然、姿を消してしまったブラッドリーだ。

彼は囚人だと、誰かが言っていた。

ブラッドリー「せっかく、自由の身になって羽伸ばしたっていうのに......。胸糞悪い目にあったぜ。」