壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ42)

今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:22,824 hit

137話ページ42

直後、どんっ！という鈍く大きい音がした。

『！?な、に…』

どうやらAは酔いが覚めたようだ。

中央の国の貴婦人「きゃあ......っ。」

ラスティカ「おっと。大丈夫ですか、ご婦人。」

ドラモンド「き北のミスラと言えば、オズに次ぐ魔力の持ち主······ !
その性格は野蛮で凶悪です......!
も······ もしや、今の言葉をどこかで耳にして、怒り狂って、我らを襲う気なのでは!?」

ニコラス「ま、まさか……。」

ヴィンセント「......っ、城の周りを確認しろ!」

中央の国の貴族「ひっ…、北の魔法使いに殺される……!」

スノウ「シャイロック、ムル、ミスラが暴れたら止められるか。」

シャイロック「まさか。」

ムル「無理。」

スノウの問いかけに2人は即答。しかも他人事のように。

ホワイト「即答ありがとう。」

ムル・シャイロック「どういたしまして。」

カイン「ファウストを呼んでくるか?呼んでも、ミスラに加勢しちまうかな」

フィガロ「いや、あの子、根は真面目だから一般人を巻き込んだりしないとは......。」

シノ「面白い。オレが相手してやる。」

ヒースクリフ「馬鹿!下がってろ!」

シノ「馬鹿だと?」

ヒースクリフ「......おまえはミスラを知らないから、そんなことが言えるんだ......。」

シノ「……」

ヒースクリフ「......っ、
……あいつに勝てるのなんて、オズ様くらいだぞ。どうすればいい。」

ルチル「ミスラ······ ?
もしかして、ミスラおじさん･･･?」

アーサー「叔父上、危ない!後ろ!」

ヴィンセント「……！」

アーサーの声に、みながヴィンセントさんの背後を振り返る。

壁しかなかったはずの場所に、不可思議な光を帯びた、巨大な扉が現れた。

隙間から青白い光を放って、扉が開いていく。

『っ！』

アーサー「これは……」

目が眩しさになれた頃、Aの視界に映った。

銀色の粉雪を背に受けながら扉にもたれて、静かに佇む青年を。

ミスラ「どうも。北の魔法使いのミスラです。
招かれざる客ですが。お邪魔いたします。」

緩慢な動作で扉から体を離して、すらりとした長身で歩き出す。

スノウも、ホワイトも、シャイロックや、フィガロでさえ、緊張を浮かべていた。

さらに、彼らは絶望を浮かべる。

扉から現れた人影は、ひとつだけではなかったからだ。