壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ41)

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136話ページ41

ニコラスが指示を出し部下は一旦ルチルを離す。

『じゃあニコラスくん、君に質問だ！なぜ魔法使いは怠惰を働いたと思っているのかな？』

ニコラス「それは魔法使いは、いい加減な所があり嘘をつく生き物だからだ。」

『じゃあさ、ニコラスくんもされた事があるの？それだったら敵視するのは理解できる。

けど、それだけじゃないと思うんだよねぇ…』

Aはわざと考えるふりをして、分かった！と少し明るめの声で言った。

『あっ、もしかして！魔法使いが羨ましいって思ってたの？

それとも…』

ニコラス「お前っ！」

『わっ！』

ニコリという効果音がつきそうな顔でニコラスを見るA。
それは図星だったようなのかAに掴みかかった。

そして、彼らは賢者に手を出されたことに怒りを覚え、手を出しそうになった者もいた。

その時だった、凄まじい雷鳴が鳴り響いた。

『！』

晴れ渡った青空に、あっという間に黒雲が立ち込めていく。

風もないのに、室内の炎が消えて華やかな会場は、不気味な薄闇に変わった。

皆がどよめいているうちにAはニコラスの手から逃れる。

かたかたと窓が揺れて、不穏な空気に、人々が息を詰めた。

ただごとではない様子に、緊迫した静寂が漂っている時、ふいに低い男の声が驚く。

???「〈アルシム〉」

中央の国の人々「!?…な、なんだ••••..!?」

中央の国の人々「魔法の呪文...!?」

スノウ「....今の声は。」

ホワイト「もしや、ミスラ······!?」

『ミスラ？』

Aは誰かわからずに首を傾げた。