壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ29)

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124話ページ29

中央の国の男性「アーサー王子様! アーサー王子様、万歳!」

アーサー「ありがとう、みんな。」

中央の国の王子様であるアーサーはもちろん、他の魔法使いたちにも声援が送られていた。

中央の国の男性「カイン隊長! お役目ご苦労さまです!」

中央の国の女性「カイン様!またお店に飲みに来てくださいな!」

カイン「ああ、ありがとう!」

リケ「賢者様は手を振らないんですか？」

『あ、えっと、リケ…。
いやぁ、なんか、こう、思ってた以上に盛り上がってて驚いてるというか何て言うか、…』

Aが浮かない顔をしていた事が気になったリケが首を傾げ聞く。
Aは、はぐらかす様に笑い外の窓に顔を向けた。

すると、リケが「あっ」と声を出して驚いている様子だった。

『どうしたのリケ？』

リケ「いえ…、なんでもありません。」

Aはリケの目線を追う。
そこには何か聖職者の服を着た男性が大声で叫んでいるのを見つけた。

『(あれか。神の名前を勝手に借りる不届き者…)』

一瞬だけ冷たい瞳でその男を睨み、また他のところに視線を向けた。
そして、パレードは無事に終わりAは1人で場内を散歩していた。

特に部屋ではすることがなく暇だったのである。

『本当に広いな…
まぁ、この間行った遺跡よりかはマシか。

……って、シノ？』

すると、目の前を通り過ぎるシノを見た。

『ねぇシノ、どこに行くの?パーティ会場は反対の方向だよ。』

シノ「帰る。」

『そっかぁ。 ······。えっ!?

なんで！ちょ、待って!

て、もういない…。

どこに行ったの!?』

Aはシノを止めようと声をかけるが、足が早いのか直ぐに姿が見えなくなった。
Aも全速力でシノを追いかけた。

着いた場所はテラスで、シノは箒に乗ろうとしていた。

シノ「………」

『はぁ…つ、いた......。待って、シノ……！』

シノ「……。

うわっ、賢者か。なんで飛びかかった?」

『だって、空を飛ばれたら、追いかけていけないし……。どうしたの、突然帰るなんて。』

シノ「………。ヒースとケンカした。」

『ヒースと?なんでケンカしたの?』

シノ「ヒースが恥じるからだ。
ヒースが自分自身を恥じると、オレを恥じられてるような気分になる。」

『どうして......？』