壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ26)

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121話ページ26

レノックス「俺がやります。」

レノックスの言葉に、しんと辺りが静まり返った。

レノックス「ファウスト様や、東の魔法使いたちの分まで。俺がやります。」

みなが怪訝そうに、無口な彼を振り返る。
Aも振り返った。

なんせ、彼が笑う姿なんて想像できないからだ。

ミチル「......レノックスさんが?」

レノックス「ああ。」

ミチル「お愛想するんですか......?

ボク、レノックスさんが笑ったところ、あんまり見たことないですけど......。」

レノックス「そうか?」

ミチル「はい…。ちょっと笑ってみてください。」

ミチルがそう言うと、レノックスは笑って見せた。
その笑顔はなんて言うか、愛想というよりなにか企んでいるような、そんなような不気味な笑み。

ピリピリしていた空気は一瞬で、笑い声が響き渡り和やかな空気となった。

その中、クロエが隣に来て話しかけてきた。

クロエ「あのさ、賢者様。」

『クロエ、どうしたの？』

クロエ「今からでいいかな？渡しそびれちゃって…」

『うん、いいと思う！』

クロエ「そうだよね！せっかくのパーティなんだし、出した方がいいよね。」

箒にまたがりながら、クロエは裁縫箱を取り出してぱかっと蓋を開けた。

すると空を飛ぶ魔法使いたちの上に、お揃いのローブがあらわれる。

クロエ「賢者様にお願いされたローブを作ってみたんだ。白を基調として、制服みたいに!」