壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子３【まほやく】 (ページ18)

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113話ページ18

そのあと、魔法舎の廊下でルチルを見つけたA。

『ルーチル。』

ルチル「あら、賢者様。」

『遠くから聞かせてもらっちゃって悪いね。今度私も参加させ欲しいな。

ほら、世界に来たばっかりだから、ちゃんと読み書きできなきゃなって…

ダメかな？』

ルチル「賢者様に授業なんて、緊張してしまいますね。
でも、喜んで!」

『ほんとう、ありがとう！

ねね、ルチルとミチルは、兄弟で魔法使いなんだよね？家族も魔法使いだったりしたの？』

ルチル「父は人間ですが、母は魔女でした。

大魔女チレッタと呼ばれていてなかなか有名な人だったみたいです。

ミチルを生んで、死んでしまいましたけれど、明るくて、陽気な魔女でしたよ。」

『え、あぁ、なんかごめんね』

Aは何か聞いてはいけないことを聞いた気がして、申し訳なさそうに謝る。

ルチル「いえ、私は何も気にしてませんから。」

『そうだったんだ......。

いい母親だったからこそ、ルチルも優しいヒトなんだろうなぁ』

ルチル「ありがとうございます。

母様のおかげもありますけど、母様のお友達のおかげでもあるんです。」

『大魔女チレッタのお友達?』

ルチル「ええ。ミチルがお腹にいる時に会ったんです。

子供の私が見ても格好いいおじさんだったな。

力の強い魔法使いや魔女は、自分の死期を予感できるんです･･････。

あの時、母は自分は長くないだろうと言いました。

力の強い魔法使いや魔女は、自分の死期を予感できるんです...。
あの時、母は自分は長くないだろうと言いました。

驚いて泣き出しそうになる私に、母の友達は魔法を見せてくれたんです。

山が一瞬で消し飛ぶくらい、すごい魔法でした。」

『……山が一瞬で！？』

ルチル「ええ。おじさんは魔法を見せた後、私に変なお守りをくれて約束してくれたんです。

あなたとあなたの弟は俺が守りますって。」

ルチルは、はにかんで笑った。

Aも釣られて笑う。

『そうなんだ…
頼れる人がいてよかったし、また会えるといいね。』

ルチル「はい」