壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子2【まほやく】 (ページ7)

今日:13 hit、昨日:28 hit、合計:28,929 hit

54話ページ7

ヒトと魔法使いの大戦。

まるで500年前、カーンルイアと神々の間で起こった様なことになるのかとAは考え、焦った。

あそこにはAも招集されていた。

けれど、カーンルイアには行くことが出来ず、直接関われなかった。

何故なら神様たちが行くのを咎めたからだ。

だから、カーンルイアに何が起こったのかAは知らない。

けれど、帰らぬ人となった神様がいた。

それがAの唯一のトラウマとも言える出来事で、争いを好まない理由となった。

スノウ「ブラッドリー」

ホワイト「よさんか。ならぬぞ」

ブラッドリー「うるせぇジジイども！お前らの言うことなんて聞くか」

カイン「ブラッドリー！いかせないぞ」

ブラッドリー「あはは！剣を抜いたって無駄だ。お前みたいな若造に何ができる。

この俺こそ死の盗賊団首領、北の魔法使いブラッドリー様だ。
人間どもも弱い魔法使いも皆殺しにしてやる！」

Aはヤバいと思いブラッドリーを止めに入った。
もし大戦になったとしたら…。

これ以上、悲劇を見たくなくて。

『だめっ。辞めてブラッドリー！
手を出さないで、それだけはっ！』

ブラッドリー「おい、離…」

『お願い、ダメなの戦争はっ！』

大粒の涙を流しながらブラッドリーにしがみつく。

Aが異様なほどに反応をしたことにブラッドリーは驚き、戸惑った。

ブラッドリー「おい、落ち着けって賢者。おまえを泣かせたくてやってるんじゃねぇよ。」

『だったらそれだけは！』

ブラッドリーはしがみつきながら泣いているAを無下にできず、Aの目線に合わせて安心させるように頭を撫でる。

ブラッドリー「おまえを泣かせたのは悪かった。けど、それは出き……っ、くしょん！」

突如、ブラッドリーはくしゃみをしどこかに姿を消した。

その光景を見たAは泣くのを忘れ、目を点とした。