壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子2【まほやく】 (ページ32)

今日:17 hit、昨日:38 hit、合計:28,905 hit

79話ページ32

ファウスト「…ブランシェット家って、ヒースクリフの実家?」

ヒースクリフはちらりと、シノを横目に見て、苦い顔で頷いた。

ヒースクリフ「…シノは幼馴染です。」

ファウストはヒースクリフとシノを見比べて、眉を上げた。

ファウスト「きみたち、自己紹介が下手か。」

ネロ「いや、だって、手本がさ…。」

それはそうだ。
東の魔法使いの自己紹介の時、一番最初に名前しか言わなかったのはファウストであったのだから。

ファウスト「シノ。」

シノ「なんだ。」

ヒースクリフ「おい、敬語を使え。ファウスト先生は俺たちの先生だぞ。」

シノ「まだ何も教わってない、名前以外。授業料も貰ってない。」

ファウスト「おまえ、ヒースクリフの友人か。」

シノは軽くヒースクリフを睨んだ。

シノ「友人じゃない。」

ヒースクリフの額に青筋が浮かぶ。

ヒースクリフ「ああそう。」

なにやら、険悪な雰囲気だった。互いを意識しながら、互いに目を合わさない。

シノ「オレの主人は、旦那様と奥様だ。ヒースはたまたまその子供ってだけ。」

ヒースクリフ「そうだな。おまえもたまたま、うちの使用人だっただけだ。」

シノ「そうだ。」

ヒースクリフ「あっそう。」

シノ「ふん。」

ネロ「なに......?ケンカしてんの･･･?」

Aは思春期特有のアレなのかと思った。

そういう年頃のヒトはすれ違いとかよくあるって小説で読んだことがあったから。

まぁ、よくあったらたまったもんじゃないけれど。