壊れかけの世界に呼ばれし神の愛し子2【まほやく】 (ページ4)

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51話ページ4

『何で、力を持ってるだけでそんな事を言われなきゃダメなの…

何で、君たちの為に、ヒトの為に〈大いなる厄災〉と戦ってきたのに彼らが色々言われなくちゃならないの。』

気づけばAは声を上げていた。

『何で、そんなことを言うの。彼らは君たちの道具じゃない！』

Aは自分でも驚く程に感情を出していた。

何か、どこか、魔法使いと似ている気がしたからかもしれない。

だけど、自分でも何でそう思ったのか分からなかった。

カイン「賢者様おちついてくれ」

『あ…ごめん。つい』

カイン「いや、賢者様が俺たちのために怒ってくれたのは嬉しかったさ。」

Aはハッとして口を噤み、顔を下に向けた。

カイン「確かに、ドラモンド大臣や、魔法管理省の人間たちは、魔法使いに高圧的なところがある。

俺だってやり口は好きじゃない。けど、全ての人間がそうだと決まったわけじゃない。

人間と魔法使いが、上手くやれる方法があるはずだ。」

Aはそんなわけが無いと言いたくなったが、その言葉を飲み込んだ。

ムル「で、どうする？」

カイン「スノウ様とホワイト様に相談しよう。」

ムル「いいよ。はい。」

すると、ムルが差し出したのは額縁だった。
Aは目を点にさせた。

カイン「……？なんだ、この額縁？」

ヒースクリフ「スノウ様とホワイト様の絵……？」

『まさか、コレとは言わないよね？』

Aはムルを見つめる。
ムルはニコニコしたまま何も答えない。