フィールドに降り立つサッカー少女 ACT 1【オリオンの刻印】 (ページ49)

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49話凸電して勝手に切るなページ49

［華麗なカットにトリッキーなパス、ボールが生きているかのような足さばき！］

「大袈裟すぎるって…」

私は半笑いしてRAINを起動する。そこには母さんや村雲、水戸くん達からのメッセージが沢山。

私、愛されてんねぇ

「何笑ってるの？」

「わっ！
えぇと、吹雪さん…」

気づかなかった。前に吹雪さんがいた事に私は驚いた。

「どうしたんですか吹雪さん」

「いや、端に座ってたから気になっちゃって」

なんて私に話しかけてくれるその優しさに顔。
まさに皇子そのものだ。

そりゃあファンクラブができて、中村がはしゃぐのは当然だわ。

眩しい。

「クッキーいる？
まだ食べてなかったよね」

「んーん、ヨネさんの所で食べてきたから大丈夫！
ありがと」

ニコッと私も笑い返しその場から離れ部屋へと戻った。

部屋に戻ってすぐに携帯がなった。

「水戸くんから？」

なんだろうと思い電話に出た。

「〈あ、もしもし私だけど？〉」

「〈もしもし久しぶりだな。まさかオマエがFFIの選手になるとはな〉」

「〈あはは、ホントそうだよ。もうホントに帰りたいよ。〉」

「〈……何かあったのか？〉」

ほんとこういう時に限って察しがいいのよ水戸くんは。
ありがた迷惑だぜ。

「〈ちょっとね…〉」

「〈無理はするなよ、中村が部活中に騒いでるからな”あー！吹雪くん達といいなぁ！”って〉」

水戸は裏声で中村の真似をするソレに2人で笑いあう。久しぶりに笑ったかも。

「〈そうだ、豪炎寺って大丈夫なのか？〉」

「〈あ、あぁ豪炎寺くんか…今入院しててちょっとね。〉」

あの瞬間を思い出す。
あの時の恐怖を思い出したのか体がかすかに震える。

「〈そう、また伝えといてくれないか＿＿＿＿って。〉」

「〈え？それって…〉」

「〈じゃあ切るぞ。〉」

プツッ
電話が一方的に切れた。
なんだよ、一方的に切りやがって私だって話したいことたくさんあるのに…。

「てか、伝えといてくれってそこまで話したことないんですケド」

はぁ〜参ったなぁ。
私はそのままベッドに沈んで目を閉じた。