フィールドに降り立つサッカー少女 ACT 1【オリオンの刻印】 (ページ18)

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18話サッカーの申し子ページ18

NOside

趙雲金は部屋でAの練習試合の動画を何回も見直していた。
練習試合は5試合あり、1ヶ月ではなかなかな数である。

周りの学校が舐めていたからこんなにも試合ができたのだ。

「ふーむ。ほかの学校の子達は技を出していますが、彼女は…」

趙雲金は悩んだ。

「監督、どうしました。」

「おや、子分くん。実はですねぇ、彼女には必殺技のひとつもないんですよ。」

5試合分の動画を見てもらう。
どの試合もMFであるAがほとんど得点を取っている。必殺技なしで。

MFは、全体を把握し、攻撃を動かし、展開し、自分たちの攻撃を作り出す能力を有する者である。

なのに何故かボールはAに集まる。
それは何故か。

趙雲金は考えたがさっぱりだった。

「(花の咲学園のサッカーは連携だけではなく、個々の実力が普通より上。なぜ、この学校が知られていないのかの方がふしぎですねぇ)」

一ヶ月であの技術が身につくのか否、この実力は天才としか言いようがない。
サッカーのために生まれてきたのだと断言できるくらいだ。

「今回のクラリオ選手の件もそうですがうーむ。」

何回もリプレイをする。

「あ、なるほどそういう事でしたか！
や〜スッキリしました。」

「親分、どういうことですか？」

「まぁ、明日の試合には分かりますよ。」

意味深なセリフを残し試合の動画を消した。
その後、彼らを呼びおつかいをたのんだ。