フィールドに降り立つサッカー少女 ACT 1【オリオンの刻印】 (ページ15)

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15話 1on1 ページ15

1on1かぁ、村雲くんたちともやったなぁ懐かしい。
私は足元でボールを転がして遊ぶ。

「それで、えぇと、吉良くんだっけ
君からボールを取ればいいんだよね？」

「それ以外に何があるんだよ」

「ヒェ、いいえなんでもありません。」

私は吉良くんにボールを渡したと同時にスタートした。

「おい、さっきのと全然ちげーじゃねぇか！
チンタラするな、本気出しやがれ！クソ女！」

「知らないよぉ、私の方が知りたいくらいだよ」

走っても走ってもボールは一向に捕まらない

「ボールをとるだけじゃねぇか！」

あ、そうだ。
ボールを”とれ”ばいいんだ。

一旦、吉良くんとのボールの追いかけっこをやめて足元のボールを見据える。

「ふー、」

私はボールをとるために走り出した。吉良くんはボールをキープしたまま避ける。

まぁ、そうだよね。そうなるよね普通。

「私ね、両利きなんだよ足…」

多分吉良くんは私は右足が出ると思ってるんだと思う。ほら、人間って大半の人が右利きでしょ。

だから吉良くんは、素早く反応するために右足重心に立つ。

右からボールを蹴るふりをし左からボールをとった。
なぁーんだ冷静に考えれば簡単じゃん。

まだ、中村の方が相手になったかもなんて考えながらそのボールでリフティングをする。

すると、鬼の形相をした吉良くんがこちらに歩み寄ろうとした時だった。

「あ！ヒロトと、Aさんだっけ？」

神が現れた。