フィールドに降り立つサッカー少女 act2【オリオンの刻印】 (ページ27)

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77話ボールは気配とともに後ろからページ27

吹雪さんは簡単にボールを奪う。
久しぶりに日本のボールになった。

やったね。

だが、その嬉しさは束の間だった。

相手チームの必殺タクティクス［インビジブル］を発動させたのだ。

霧のような物がフィールド中に漂う。

「ばかな！」

「なんなんだこの必殺タクティクスは！」

その瞬間、フィールド全体が俯瞰して見えた。

「ボールは後ろ3m、サタンさんが持ってる…」

私はUターンしてボールを追いかけて走る。
何となくわかる、フィールド上のことが。

「なっ、どうしてわかった！」

「勘です…」

サタンさんは驚く。
ボールを取ろうと、ぶつかり合いで私は倒れてしまった。
くそぅ、体格差で不利か。

そして、霧がはれサタンさんにタイムトランスで得点を取られてしまった。

「…すみません、ボール取れませんでした。」

私は腰を擦りながら立ち上がり謝る。

「いや、俺がボールを取れなかったのが悪いんだ」

悔しそうにそういう円堂さんに何故か私も罪悪感が湧いてきた。
私が、あそこでボールを奪えていたら。

なんて、タラレバの妄想をするがやめる。

「……まるで悪魔にみいられてるのかのようだ。」

「一体、どうなってやがるんだ！」

「［フィールドの悪魔］が悪魔にみいられちゃ世話ねぇな」

ヒロトくんは灰崎に皮肉を言う。
これぞ、火に油を注ぐか。