フィールドに降り立つサッカー少女 act2【オリオンの刻印】 (ページ23)

今日:22 hit、昨日:3 hit、合計:8,822 hit

73話笑ってやり過ごそうページ23

「さっき、彼と何を話してたんだ？」

「え？うーん、特に何でもなかったかなぁ。
それにしてもあの少年強かったねぇ。」

ケラケラと笑い受け流し、話を変えた。
でも、風丸さんは訝しげな顔で私を見てる…

教えるわけないじゃん。
てか、教えれないよあんな話…

軽蔑されるかもしれない。そんなの絶対に嫌だ。

「なんだよアイツ…」

「でも、すごいプレイヤーという事には間違いないですよ」

それはそうだ、6人の相手をしても圧倒的に向こうの方が上だった。
実力は本物なんだろうなぁ。

あのショタは何がしたかったのだろう。
私はバカだから全然わかんないや。

「やっぱりいつ見てもAのボール捌きは凄いなぁ。

アイツとやってる時もそうだったけど到底俺には真似出来ないや。」

明日人くんは目を輝かせながら私を見る。
うわ、飛び火だ飛び火！

いい子すぎて逆に思考が読めないタイプ。

「そうかな…
普通に1人で練習してただけなんだけど…」

困ったように笑い、みんなで合宿所へと帰った。

───────────

2回戦目の当日。
やはり私は女子更衣室で緊張していた。

「はぅ…、怖いなぁ…
はぁぁぁぁ〜」

大きなため息が出てしまった。
いやぁね、まぁ必殺技はできたけど私が打つ意味があるのかなって…

また、ラフプレーとかされたら

そんな事がまたあったら…

自然と手が震える。だめだ、しっかりしなくちゃ。