フィールドに降り立つサッカー少女 act2【オリオンの刻印】 (ページ15)

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65話サッカー嫌だ,おうち帰りたいページ15

「……っすみません気分が優れないので、先に部屋に戻ります」

私はその場を後にしてしまった。
本当は充くんをかばいたかったがそんな勇気は私にはなかった。

「A…」

急いで部屋に戻った私は、小さくまるまった。

「うぅ、もう嫌だ…おうちに帰りたい…」

私は一人で涙を流した。
怖いのだ。サッカーが。

ペクさんが言っていたことが今なら何となくわかる気がした。

その時だった電話がなる。

「…水戸くん」

「〈もしもし…〉」

「〈おいおい、なんでそんな元気がないんだよ。〉」

「〈もう、もう帰りたい…辞退したいよっ〉」

もう、サッカーが嫌いになりそう。

「〈……何があったかは知らないがFFIの選手になったなら簡単に辞退するな。〉」

……初めて聞いたかもこんな真面目な声。

「〈オマエの母さんや音寧、部活の皆だってオマエに期待して応援してるんだ。

ソイツらの期待を裏切るのか？〉」

「〈～～っそんなわけない！〉」

「〈だよな！それなら頑張れ。俺が教えてやったんだうんっとサッカーしてこいよ！〉」

「〈うぅ、ありがと水戸くん…〉」

はぁ〜そんなこと言われたら辞退できないじゃん。
少しは勇気が出た気がする。

私は電話を切て画面を見つめた。