3.猿とお手伝い ページ3
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2人が村を出て、町へ向かっていますと、誰かがこそこそと後をついてきました。
「誰だ!」
「うわっ! ごめんなさい!」
出会ってすぐに土下座をしてきたのは、猿(演:向井康二)でした。
「怪しい猿やないです。その……食べ物分けてもらえへんかなって……」
遠い西の国から旅をしてきたという猿は、すっかりお腹を空かせていたのでした。
話を聞いた桃太郎は、すぐにきびだんごとプロテインバーを分けてやりました。
「1人で来たの? 超凄いじゃん」
「このご恩は忘れません。
そうや、なんでもお手伝いします」
「じゃあ今から鬼ヶ島ってところに行くんだけど、ついてきてくれる?」
「え、鬼……」
「超強いんだって」
桃太郎は少しも怖がっていません。
むしろわくわくしているようです。
「俺戦ってみたいの」
「でも鬼ですよ?
聞きましたけど、イケメン武芸者が戦い行って帰ってこんかったって」
「悪い奴だったら許せないけど、どっちにしろ燃える」
「ええ……」
猿は逃げそうになりましたが、犬がすかさず
「一緒にいる間は、きびだんごとプロテインバーが食べられるよ。
『お手伝い』してくれたら嬉しいなあ」
と畳みかけました。
「あ、俺……さっき、何でもお手伝いするって……」
犬はこてんと首をかしげて上目遣いをしました。
猿は半分泣きそうになりながら、「行きます!」と大きな声で言いました。
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作者名:知り合いのすのたんに布教を受けました | 作成日時:2023年7月11日 17時