幼なじみ、2【ヒロアカ】 (ページ10)

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そして迎えた職場体験当日。

「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ。」

相澤先生からの忠告を受け、それぞれの場所へと出発する。

私は途中までは飯田くんと一緒だったが、体育祭以来上の空のことが多い彼と話すことはなく、先に彼は新幹線を降りて行った。

その3駅ほど後、私が降りる駅があって、そこで下車をした。初めてくる街の景色を眺めながら駅の改札で待っていると、袴を着た女性がこちらに近づいてくるのが見えた。

「ごめんね〜！バタバタしてたら少し遅れちゃった！」

「いえ、大丈夫です。真宮Aです。1週間よろしくお願いします。」

「私は皐月舞菜(サツキマイナ)です！よろしくね〜。ヒーロー名は舞なんだけど、気軽に舞菜さんって呼んで！」

「わかりました。」

駅から事務所まではさほど遠くないみたいだったが、私の荷物があるということで車で来てくれていた。舞菜さんは21歳と年が近いこともあり、事務所に向かう中でかなり仲良くなった。

「ふぅー、道が混んでて時間かかっちゃったね。ここが私の事務所！さ、入って入って！」

「お邪魔します。」

舞菜さんの事務所はいわゆる自宅と一体化しているタイプであり、1階が事務所、2階が舞菜さんの住む家となっていた。

「来客用のお部屋があるから、1週間そこに泊まってね〜。なんか分からないことがあったら気軽に聞いて！」

荷物を置くとすぐに事務所内を案内してくれた。コスチュームが袴のため和室かと思っていたが中は普通に洋室だった。どうやらコスチュームは今まで道着を着ていた影響で、洋服より袴の方が動きやすいのだそうだ。

事務所にはサイドキックが1人いるだけの小さな事務所だった。若手なのに独立しているあたり、出久が言っていたように注目を集めているヒーローなのだろう。

「でもまさかこんな可愛い子が来てくれると思ってなかったよ！」

「体育祭見て、私この子に指名のやつ送るわ！なんて急に言い出したもんだから驚きましたよ。」

紫乃さんが笑いながら言う。

「いえ、私も指名してもらえて光栄です。」

「わー！もうほんと良い子！じゃあお昼食べたらパトロール行こっか！」

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オリキャラ

皐月舞菜(ｻﾂｷﾏｲﾅ)
ヒーロー名:舞
3年前にデビューしたばかりの若手ヒーロー。
だがその体術の凄さから注目を集めている。

桜紫乃(ｻｸﾗｼﾉ)
舞事務所のサイドキックで、経理担当。