72.充実した一日 ページ34
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結果は、上鳴くんの負け。
私からジョーカーを引いた後、一度も他の誰かに渡すことなく手に持ち続け、他の人は次々と抜けて行った。
そして最後の2人、青山くんと残った時の戦いは面白かった。放つオーラですぐに結果がわかる2人はまるでコントでもやっているようで。最終的に青山くんが目をつぶって引いたカードが揃って上がり。
上鳴くんの決勝進出が決定した。
「透ちゃん、1回目からジョーカー引いてたの？」
「そうそう、砂藤くんが1番最初に持ってたんだよね！」
「引いても葉隠まったく表情変わんなくてビビったよ。」
1回戦の後、実は−と言う形で透ちゃんから告げられる。てっきり初めから透ちゃんが持ってるものだと思っていた。
口田くんはよく見ると顔に出てしまっているのが分かるらしいが、このメンバーにはほとんど気付かれず、2番目にサラッと抜けていった。
2回戦は出久、ジロちゃん、障子くん、瀬呂くん、お茶子ちゃん、峰田くん、常闇くんのメンバー。
ダークシャドウの表情で常闇くんのカードが分かってしまい、わりとすぐに負けが決定してしまった。
後ろでくるくると表情が変わるダークシャドウ、結構可愛い。
3回戦目は飯田くん、轟くん、三奈ちゃん、梅雨ちゃん、ヤオモモ、尾白くん、切島くんのメンバー。
このメンバーは想像以上に全員強くて、心理戦が常に行われていた。三奈ちゃんのこれジョーカーじゃないよ、という嘘を信じた轟くんが思いっきりジョーカーを引いて、決勝進出。
「じゃあ決勝は上鳴、常闇くん、轟の3人に決定！」
「いや女子軍誰も負けてないじゃん！」
「不覚…。」
「これまだ続くのか？」
なかなか見ない組み合わせの3人に、みんなの注目が集まる。3人を囲うようにしてみんなが座り、彼らの戦いを見届けようと待機していた。
少し離れたところに私もお茶子ちゃんと座り、試合の様子を見る。雰囲気の噛み合わない3人だったが、顔に出やすいところは共通していて、何度か思わず笑ってしまった。
朝から運動して、ご飯を食べて、お風呂に入って。そして遊んで。充実した1日を過ごした体は、やはり疲れているようだった。
先ほど溺れかけて眠気が去ったと思ったが、今日はしつこく睡魔に襲われる。騒がしいクラスメイトの声も遠くに聞こえるようになってきて、最弱が決まった常闇の姿を最後に眠りについた。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
