70.久々の ページ32
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P.M 5:20
「やーっと来たにゃん。」
制服姿のまま戦い続け、合宿所までようやく着いた頃には日が傾いていた。
「部屋に荷物を運んだら食堂にて夕食。その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からだ。さァ早くしろ。」
相澤先生の指示に、フラフラの状態で荷物を運ぶ。そんな状態なのは私だけでなく、A組全員が同じように疲れていた。
「「いただきます！！」」
その一言で、一気にご飯を駆け込み出す皆。お昼ご飯抜きで朝から戦い続け、お腹が空きすぎていた。
「Aちゃん、お腹空いてないん？」
私の隣で男子に負けず劣らずのスピードで食べるお茶子ちゃんは、頬をいっぱいに膨らませながら私に話しかける。
「お腹空きすぎて、逆に食欲無くなった。」
「あー、それわかる。ウチもたまになるよ。」
周りがものすごい勢いで食べる中、1人だけのろのろと食べる私。そんな姿が目立ったのか、相澤先生から早く食べろ、という視線を感じる。
仕方なく入るだけ口の中にご飯を詰め、いつも通りのスタイルで目の前の食べ物たちを無くしていった。
「お、久々のハムスター真宮。」
いつだったか切島くんに言われた言葉を、上鳴くんが呟く。その一言に数名が私の顔を覗き出し、食べづらくなってしまった。
「USJの時もやってたな。」
そうだ、あの日だ。その時も同じように後から轟くんに同じことを言われた。だからこれやりたくなかったのに…。
明日は私の胃袋が大きくなっていることを願いながら、なんとか食べ切った。
「ご飯の後はー？」
「お風呂ー！！」
部屋からお風呂場まで向かう間。ぴょんぴょんと跳ねながら歩く三奈ちゃんと透ちゃんを見ると、どこからその元気が出てくるのか不思議に思う。
「お風呂か…。」
「あら、耳郎さんお風呂好きでないんですか？」
「いや、好きだけどさ…。」
「ああ…。」
ジロちゃんの目線から言いたいことが伝わってくる。どうしたらそんなに発育が良くなるのか。それもまた不思議だ。
合宿所には露天風呂もあり、せっかくなので皆で浸かることにした。
「気持ちいいねぇー。」
「温泉あるなんて最高だわ。」
「ちょ真宮！？ここで寝ちゃダメだよ！」
眠気に耐えられず静かに沈んで行く私を見て、ジロちゃんが顔色を変えて引っ張り上げる。
壁の向こう側では峰田くんが覗きをしようとしたらしく、洸太くんに突き落とされていた。うん、自業自得。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
