番外編＿クリスマス ページ4
クリスマスという事で！せっかくなのでクリスマスのお話でも書いていこうと思います。
舞台は3人が中３の頃のお話＿
＊
「あーあ、せっかくのクリスマスなのに、受験生ってほんと最悪すぎる！」
クラスメイトのため息を聞いて、ああ、そういえば明日はクリスマスか、なんて思い出す。
たとえ受験生だとしてもイベントごとはやってくるもので。特にクリスマスとお正月のある冬休みは1番勉強しなければいけない時期なのにその気持ちが削がれる季節であった。
だからといって、私は特に何をするでもないんだけど。まあ街中で浮かれている人を見れば、ちょっとくらい受験勉強が嫌になる気持ちはある。
「Aちゃん、今日もいつも通りの時間でいい？」
「今日は学校早く終わるから、少し早めが良い。」
「じゃあお昼食べたらにしよっか！」
私と幼なじみの1人＿緑谷出久がしているのは、いつも通りの勉強の約束である。結局受験生である以上、勉強からは逃れられないのだ。
私、出久、かっちゃんの3人は、いわゆる幼なじみと言うやつだ。幼稚園、小学校、中学校と一緒。高校も、全員が雄英高校というヒーロー科の名門を目指している。
"同じ高校を受けるなら、一緒に勉強しよう。"
いつだったか、出久に言われた言葉を思い出す。それ以来、こうして毎週一緒に勉強しているのだ。
「勝己くん、もし良かったら一緒にイルミネーション行かない？」
「あ゛ぁ？誰だてめェ。」
「ひどーい！去年同じクラスだったのに、覚えてないのー？」
「モブのことなんて興味ねェよ！」
そう一言残して去っていくのはもう1人の幼なじみ＿爆豪勝己であった。彼は見ての通り、周りの人に対する態度がかなり悪い。だがそれでもモテているのは、恵まれた才能、個性のおかげなのだろうか。
幼なじみといえど、普段からほとんど話す事のない彼とは同じ高校を受けるとしても、一緒に勉強をするなんて発想には至らなかった。
「Aちゃん？どうかした？」
「ううん、何でもない。帰ろっか。」
「なになにー！？緑谷は真宮とクリスマスを過ごすんですかー？」
「無個性の癖に、真宮と過ごすなんて調子に乗りすぎだろ！」
「個性の代わりに、真宮と幼なじみになれたんじゃね！？」
「うわ、ないわー笑。」
2人で帰ろうとすると、聞こえてくる声。無個性、たったそれだけで人の全てを決めつけるクラスメイトに、とてつもなく腹が立った。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
