65.逆手に ページ27
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「隠れましょう！！」
実は初めから考えていた、というヤオモモの策を逃げながら聞く。私も先生の個性について話すと、どうやら同じことに気がついていたらしく、それを利用するらしい。
「2秒。いや、1.5秒くらいはあるかな。」
「轟さんならその一瞬で出せるでしょう！？」
「じゃあ私が隙を作る。」
さっき借りた炎の個性を自分のできる最大の明るさに操作する。今の状況で個性が使えるのは私だけ。
「さっきのヤオモモの目眩しほどできるかわかんないけど、なるべく先生の顔の前を目掛けてやる。そこで曲がった瞬間放つから、そしたらお願い。」
「わかった。」
角を曲がり、先生の死角に入る。なるべく高いところに素早く上がり、数メートル先にいる先生の目元に向けて放った。
「今！」
「ああ！」
轟くんは1秒ほどで大氷壁を出し、先生が私たちの目を見れなくなるようにした。
ヤオモモの方を向くと、個性を全力で使って布を創り出していた。さすがに気まずいのか、轟くんは明後日の方向を向いている。
「それ…相澤先生の武器か？」
「ええ。素材や詳しい製造工程がわからないので全く同じものは創れませんが、その代わりあるものを織り込んだ私verですわ。」
「私もヤオモモの個性使えたら手伝えたんだけど。ごめんね。」
「使えないのか？」
「ヤオモモの個性はものを創り出すこと。創り出したもので攻撃されても、それ自体は個性じゃないから無効化が限界。」
一通り布を創り終えたヤオモモが、私たちに策を説明する。
「Aさんには先生を騙すため、近くから直接的な攻撃を与えて欲しいのですが…。」
「真宮も相澤先生の個性は効くんだろ？出来そうか？」
「逆手にとればいい。効くって言っても、視線を合わせてる間とその後10秒だけ。私は最初から布をかぶらなければ良いわ。」
「そうしましょう！」
先生に攻撃を与えるなら氷結の方が適してる、ということで轟くんから個性を借りた。
合図とともに2人は布を被って飛び出し、私だけそのまま出る。相澤先生に視線を一瞬合わせ、すぐに逸らす。
私の個性を消した相澤先生は、布を被った2人の方に体を向け、捕縛布で捕まえる。その間に私は先生の後ろの方へ走った。
上半身だけマネキンを入れているため、2人は捕まらず、ヤオモモがカタパルトを使ってオリジナル捕縛布を先生に向けて投げた。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
