60.最も嫌う1週間 ページ22
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職場体験が終わり、季節は一気に夏へと近づいた。
待ち遠しい夏休みの前に待つのは、学生が最も嫌う1週間、期末テストである。
「期末テスト、嫌やねぇ。」
「いつもより勉強出来てないわ、ケロ。」
「早く過ぎ去ってほしい1週間だよね。」
期末テストまで1週間を切っているものの、体育祭、職場体験と重要な行事があり、勉強できる時間が中学の時よりも圧倒的に少なくなった。
「普通科目は授業範囲内でまだなんとかなるけど…演習試験が内容不透明で怖いね…。」
「突飛なことはしないと思うがなぁ。」
「普通科目はまだなんとかなるんやな…。」
「出久、勉強好きなタイプだからね。」
ヒーロー科は、座学に加えて演習試験もある。範囲は1学期で学んだこと、としか言われていないため、何をするのか全くわからない状況だ。
だが、お昼にB組の拳動ちゃんがロボット相手の実戦演習だ、ということを教えてくれる。彼女は空手を習っており、体育祭の後に同じ武道仲間として仲良くなった。
「ありがとう、拳動ちゃん。」
「いいよいいよ。お互い、試験に向けて武道頑張ろう。」
放課後。
相澤先生に呼び出された私は、職員室へと向かっていた。
「失礼します。」
「来たか。ここに座れ。」
「はい。」
談話室のようなところに腰掛けると、早速だが…と相澤先生から質問を投げられた。
「期末テストに向けて、個性を把握しておきたい。影響操作はどの範囲で使える？」
「基本は自分に直接影響があったものです。相手の個性因子を皮膚から吸収してるので、間接的な影響だと相手の個性の使用ができません。」
間接的な影響＿例えばヤオモモが個性で武器を作り、その武器で私を攻撃した場合は、無効化はできてもその攻撃には個性因子が働いていないため吸収されず、私はヤオモモの個性を使うことができない。
あとは、敵が個性を使ってビルを壊し、倒れてきた場合。
ビルが倒れてくるのは重力に従っているので物理的。つまり、これは私も避けられない。
「個性因子を吸収してるのか。蛙吹や常闇の個性は使えるか？」
「梅雨ちゃんのは出来ると思います。常闇くんの個性も恐らく。ダークシャドウが双子みたいになるんじゃないでしょうか。」
「なるほど。…ちなみに、俺の個性は使えるようになるのか？」
確かに。先生の抹消と私の無効化だとどちらの方が強いのだろうか。
「わからないです。」
「せっかくだ、やってみるか。」
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
