58.託す ページ20
＊
一夜明け、保須総合病院。
出久、飯田くん、轟くんの3人は深く怪我を負ったこともあり、入院していた。
私は最後脚の力が抜けたものの、時間が経って回復。怪我も頬の切り傷だけで、病院で治療後、舞菜さんの事務所へと戻った。
念の為次の日も見せにくるように、とのことで私は再び病院を訪れていた。
「うん、特に傷跡も残らなさそうだね。じゃあ患部は清潔にして、ガーゼは1日に1回変えてね。」
「はい、ありがとうございました。」
3人と比べ、本当に掠っただけだっため、傷は浅く、1週間もあれば治るだろうとのことだった。
「あー良かった！跡が残ったらどうしようかと…。」
「付き添いありがとうございました。」
「いいのいいの。どっちにしろ行かなきゃいけなかったから。」
「、？」
そう言って、舞菜さんに連れてこられたのは出久たちの病室だった。
＿＿ガラガラガラ
「Aちゃん！」
「真宮くん！」
「真宮！」
それぞれが、異なる呼び方で私を呼ぶ。見た感じ、1番重症なのは飯田くんのようだ。あれだけ腕を深く刺されたのだ、すぐに治るはずがない。
「顔に傷…。すまない！」
「大丈夫。ちょっと大袈裟なだけで、跡も残らないわ。」
「なら良かった！」
「飯田くんこそ…「おおォ起きてるな怪我人ども！」」
私の言葉を遮って、出久と飯田くんの職場体験先のヒーローが入って来る。2人と一緒に、警察署長の面構さんも入って来た。
用件は、昨日のことについて。ヒーロー殺しは火傷に骨折と重傷で現在治療中。そして、私たちの昨日の行動が勝手に個性を使用したため規則違反に当たるとのことだった。
だが、全ての功績をエンデヴァーのものとし、公表しない、のであればここでの違反を握り潰すことができる、という。
「ヒーロー舞からは個性の使用許可を出したと聞いている。だからまあ監督不行届とはならず、厳重注意ってとこだな。」
「俺らは責任取らなくちゃだけどな。」
「申し訳ございません…。」
「よし！他人に迷惑かかる！わかったらもう2度とするなよ！」
「すみません。」
「いいのいいの！厳重注意で済んだし、行かせた私も悪いからね。」
結果として、私たち4人は面構署長にお願いし、全ての功績をエンデヴァーに託すことにした。
「じゃあ3人とも、お大事に。」
「ああ。」
「Aちゃんもね！」
「また学校で会おう。」
「うん。」
そして、私は事務所へと戻った。
＊
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
