53.一斉送信 ページ15
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「もうこんな時間！お昼食べてすぐパトロール行かなきゃ！！」
午前の特訓は、まだ朝で体が硬いこともあって、いつもよりアップを念入りに行なった。2人とも集中していたため、時刻が正午を過ぎているのに気が付かなかった。
「14時くらいからパトロール行きたいかな。今は広範囲を回らなきゃだし。」
現在の時刻は13:30。昨日の残りの豚カツをサンドウィッチにし、食べつつパトロールの準備をした。
「そういえば、今日紫乃さんはお休みですか？」
「昨日からお子さんが体調悪いみたいで今日はお休み。」
「それは心配ですね。」
いつもお昼に声をかけてくれるから、うっかりしてた。ということらしい。
コスチュームに着替えた私たちは、まず自分たちの区域からパトロールを行なった。その後、隣の区域へと移動する。
「最近はだいぶ日が長くなって来たねー。」
「確かに、夕方なのにまだ明るいですね。」
「でも路地裏とかは結構暗いから、要注意だよ。」
「わかりました。」
＿ドォン!!!
「え！何事！？」
もう少しで保須市に入る、という所で突如響く爆音。
「急いで向かうよ！」
「はい。」
舞菜さんと街の中心部まで走って目にしたものは、USJの時に私たちを襲った脳無だった。
「これ…！」
「知ってるの！？」
「USJ事件の時に襲われた脳無です。とにかく地の力が半端なくて。」
「なるほど。すぐに情報提供するわ！」
＿ブーブー
携帯が鳴る音がして、慌てて取り出す。送り主は昨日と同じ出久から。一つ違うのは、これは決して昨日のメールに対する返事などではなくて、ただ位置情報が一斉送信されていた。
「どういうこと…？」
「どうかしたの！？Aちゃん！」
「幼なじみから位置情報だけ送られて来ました。場所は…保須の路地裏です！」
「怪我をした、あるいは怪我人がいた、それとも敵と遭遇した…？」
舞菜さんは一般の人々を避難させながら、瞬時に、考えられる可能性を全て考えていた。
「それ、気になるよね！」
「え、あ、はい！」
「じゃあ状況確認をして、私に連絡を入れて。もし敵だった場合、なるべく交戦は避けて欲しいけど、どうしてもの場合には個性の使用を許可します！あくまでも誰かが命の危機にある場合ね！救助優先で！！」
「…！わかりました。ありがとうございます！」
返事をすると同時に飛び出し、携帯を駆使しながら出久の送って来た路地裏へと走った。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
