51.到底及ばない ページ13
＊
「お疲れ様！よく頑張った！」
「ありが、とう、ございます…。」
あまりのハードさにクタクタになる私とは対照的に、同じメニューをしたにも関わらず元気な舞菜さん。やはりプロヒーローはすごい。彼女には到底及ばないな、と心の中で思った。
「じゃあお風呂入って、夜ご飯食べて、今日はもう寝よっか！疲れたよね〜。」
「はい。」
舞菜さんは夜ご飯も振舞ってくれて、お腹いっぱいになった私はすぐに眠りについた。
2日目も、同じようにパトロールに行き、特訓を行った。
1日目は移動で午前中が潰れたため、特訓の時間は2時間ほどであったが、2日目は朝からパトロールを行ったため、午後はほとんど特訓をしていた。
「疲れた…」
「半日も動きっぱなしだと疲れるよね〜。でも昨日より良くなってる。やっぱり若い子は吸収力が違うわ…。」
「いえいえ全然、そんなことは。」
「謙虚だね。可愛い〜！」
普段はテンションが高く、可愛いらしい舞菜さんは、武道の時には雰囲気が変わり、凛々しくなる。厳しいものの、教え方が上手いおかげで、たった２日習っただけで確実に前よりも上達したのを感じられた。
「よし、じゃあお風呂入って、夜ご飯食べたらゆっくりしよっか！」
「あ、お手伝いします。」
「ほんと？ありがとー！」
事務所に戻り、夜ご飯の支度をする。ママが夜勤でいない時は自分で作っているため、料理はわりと出来る方だ。
「「いただきます。」」
「んー！最高。やっぱり肉が1番だよね。」
2人で作ったのは、豚カツ。舞菜さんも私に指導してくれているため、いつもの倍以上訓練をしているらしい、というのを紫乃さんから聞いた。
ヒーローとして活動しつつ、自分を鍛えるのも忘れない。それに加えて私のことまで見てくれる。私もいつか彼女のようになれるのだろうか。
「雄英ってさ、名門じゃん？やっぱり大変？」
「大変、ですね。なんせプラスウルトラを掲げてるので。」
「あはは、それは確かに大変そうだ。」
夜ご飯を食べながら、舞菜さんのヒーロー活動の話や私の学校の話、幼なじみの話など色々なことを話した。
「やっぱり、幼なじみって聞くと憧れるなぁ。」
「そうなんですか？」
「よくあるじゃん？恋愛漫画とかでさ、昔からお互いのことが好きで＿みたいな。」
「…分からないです。幼なじみとの恋愛って絶対なんでしょうか？」
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
