46.私のコードネーム ページ2
＊
「！？」
「えぇ緑谷いいのかそれェ！？」
「うん。今まで好きじゃなかった。けどある人に意味を変えられて……僕には結構な衝撃で…嬉しかったんだ。」
出久が示したヒーロー名は『デク』。今まで散々かっちゃんから馬鹿にされてきた名前をコードネームにしたってことは意味を変えてもらえたのが相当嬉しかったのだろう。
残念ながら、私には変えることが出来なかったけど。
「"デク"、良い名前だと思うよ。」
「ありがとう。Aちゃんはまだ悩み中？」
「そう。」
ヒーロー名、なんて言われてもすぐには思いつかなかった。決まらなかったら自分の名前にすれば良いかな、なんて考える。
「Aちゃんは…ディアナとかどうかな？」
「ディアナ？」
「ハッ、月と狩猟の女神ってか？笑えるな。」
「いいじゃん！真宮って太陽よりは月って感じだし、強いから狩猟っていうのも似合うよ。」
ジロちゃんにそう言われると、なんだか嬉しくなってくる。お茶子ちゃんが激しく頷いているのも見えて、それにすることに決めた。
「じゃあそうしようかな。ありがとう出久。」
「どういたしまして。」
無事に私のコードネームも決まり、残りはかっちゃんだけとなった。だが爆殺のワードに縛られているせいで、何回もやり直しである。あれは今日中に決まらないな。
その日のお昼。
出久、お茶子ちゃん、飯田くんのいつものメンバーでお昼を食べる。
「麗日さんはガンヘッドの事務所だっけ？」
「そう！もっと強くなろうと思って。」
「飯田くんは？決まった？？」
「いや、まだ悩んでいる。」
「指名来てたもんね。悩むよね。」
朝の雰囲気から一転し、今はどこの事務所に職場体験に行くかという話で持ちきりだった。
「Aちゃんは？決めた？」
「まだ。難しい。」
「Aちゃんもけっこう指名来とったもんねー。」
体育祭で3位という結果を残しただけあって、飯田くんと同じくらいの指名が私にも来ていた。だが私はヒーローについてあまり知らないため、名前だけ見ても分からないのだ。
「わからないから、出久に相談しようと思って。」
「そうだよね、あんまりヒーローに詳しくなかったよね。僕で良ければいくらでも相談に乗るよ！」
「ありがとう。」
放課後に相談の約束を取り付け、それまでにもう一度目を通しておくことにした。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
