45.胸膨らむやつ ページ1
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「超声掛けられたよ来る途中！！」
「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった！」
「俺も！」
振替休日明け。
クラスの話題は、体育祭の反響のことでいっぱいだった。オリンピックに代わるイベントなだけあって、たった1日だけであっという間に有名人だ。
「おはよう。」
騒がしい教室に先生の挨拶が響くと、皆が一瞬で静かになる。
「相澤先生包帯取れたのね良かったわ。」
「婆さんの処置が大袈裟なんだよ。んなもんより今日のヒーロー情報学ちょっと特別だぞ。」
その一言に、多くの人の心がざわつく。
「コードネーム、ヒーロー名の考案だ。」
「「胸膨らむやつきたああああ！！！」」
どうやらプロからのドラフト指名のために、コードネームが必要らしい。
「でその指名の集計結果がこうだ。」
クラスの中でも2人が飛び抜けて高い結果となっていた。轟くんとかっちゃんである。優勝したかっちゃんより轟くんの方が票数が多いあたり、表彰台でのかっちゃんに怯えた人もいたのだろう。
一応私にも入っていたが、2人には到底及ばない数だった。
「これを踏まえ…指名の有無関係なくいわゆる職場体験ってのに行ってもらう。」
プロの元で実践的に色々学んでこいってことですね、つまり。
相澤先生はコードネームをつけるセンスがないとかで、ミッドナイトが代わりに担当してくれることになった。たしかにイレイザーヘッドってマイク先生あたりが考えてそうだよね。
各自考え次第、人前で発表になった。1人目は青山くん。
「行くよ『輝きヒーロー I can’t stop twinkling 』」
…英文？
「そこはCan’t にした方が呼びやすいわね。」
あ、良いんだそれで。
次に発表した三奈ちゃんはどこかのキャラクターの名前？か何からしく、没になった。
なんかこれ、発表しにくい雰囲気になってない…？
「じゃあ私いいかしら。」
「梅雨ちゃん！」
「小学生の時から決めてたの。『フロッピー』」
「カワイイ！親しみやすくていいわ！！」
梅雨ちゃんのおかげで発表しやすくなり、みんな次々に発表していく。みんなすごい、決めるの早いな。
あまりの速さに、残りは出久、かっちゃん(再考)、飯田くん、私の4人だけになってしまった。だが飯田くんは轟くんと同じく自分の名前にし、すぐに決定。
次に発表した出久のコードネームは、驚くべきものだった。
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作者名：レモネード | 作成日時：2023年12月22日 22時
