パーカー ページ10
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声を掛けてくれたサヤちゃんと
連絡先を交換して家に帰った
よく考えてみるとまだあの子達のこと
なにも知らないのに疑うなんて失礼だよね
単純に声をかけてくれただけかもしれないのに
玄関のドアを開けると三田さんがすぐに来た
「お嬢さま!もう、連絡してくださればすぐに車を用意させたのに」
「電車に乗りたい気分だったの」
「今は物騒なんですからね、誘拐なんてされたらどうするんですか」
「もう私大学生だよ?護身術だって習ってるし大丈夫だよ」
「でも明日からはちゃんと連絡してください」
「覚えてたらね!」
「こら、お嬢さ…」
三田さんのお説教は一度始まると長い
この話だってもう何十回って聞いたのに
三田さんの説教から逃れる為に自分の部屋に逃げ込んだ
ケータイの通知音がなって
見ると涼太くんからのラインが一件
涼太【どうだった?友達できた?】
やっぱり涼太くんは優しいな
それに大学でも想像以上の人気でびっくり
アイドル並みの人気だったなあ
私は私で慣れない環境で疲れた
コートを脱いでハンガーに掛けてそのまま
ベッドに倒れ込んだ
するとふと、畳んで置いてあるパーカーが目に入った
あの人には捨てておいてって言われたけど
やっぱり捨てられないよ
あの人どこでなにしてるんだろう。元気かな。
最近時間があるとついあの人のこと考えてしまう
名前くらい聞けばよかったな
あの日のこと後悔してる
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こじゃる(プロフ) - お話大好きです。更新頑張ってください。 (2020年4月19日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:culumi | 作成日時:2020年4月17日 23時