恋愛中毒 (ページ41)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:24,045 hit

友達としてページ41

.

屋上に着いて
しばらく沈黙の時間が続いて
玲於くんがやっと口を開いた

「ちゃんと気持ち伝えた」

「え？」

「お前の言ってた通りちゃんと気持ち伝えてよかった。この10年引っかかってたものが一気に溶けていって楽になった気がする」

「…そっか」

「言わないといけないことがいっぱいあってなにから言っていいかわかんねーけど、ありがと。俺に怒ってくれて。お前が居なかったら俺、一生ウジウジして色んなこと理由にして芽依から逃げてたと思う」

なにも知らない私が偉そうに言えるようなことじゃないけど
玲於くんが少しでも前向きになれたならよかった

「いつも、弱っちいお前に怒られて目が覚めたよ。あと、ごめんな。俺、お前の気持ちなんも分かってなくて」

「ううん、私こそ急にごめんなさい」

「この1週間色々考えてた。お前のこととか芽依への気持ちとか」

ちゃんと考えてくれてたんだ
私もちゃんと言ってよかった

「前みたいにとりあえず付き合ってみてとかそういう中途半端なことお前にしたくないし、やっぱり俺は芽依のことが好きだから。いつ吹っ切れるかも分かんねーし、もしかしたら一生好きなままかもしれない。だからやっぱお前の気持ちには答えられない。」

「真剣に考えてくれてありがとう。もし、玲於くんが嫌じゃなかったら今まで通りにしてほしい」

「嫌なわけないだろ。」

はい、って私が手を差し出したら握ってくれた

「じゃあまた今日から友達としてよろしく」

「ん、だな」

今はまだ玲於くんのこと好きだけど
いつか吹っ切れるよね
それまではちゃんと気持ちは抑えて
頑張って友達として振舞わなきゃ

「あ、多分あの飛行機だ」

「芽依さーん！頑張ってくださーい！」

芽依さんの夢が叶いますようにって
心の底からお願いした

.