気付いてしまった ページ35
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「出発の準備どう?もう後2週間でしょ?」
「丁度、色々手続きとか荷物詰めたりしてるけどほんと大変で終わりが見えないの。笑」
「荷物詰めるの手伝おうか?」
「いいの?」
「来週こいつも連れて手伝いに行くわ」
強引だなあ、まだ行くなんて一言も言ってないのに
まあでも、手伝えることがあるのは嬉しいけど
「ふたりともありがとう」
その後、少しだけお喋りして
この日は解散になった
玲於くんと芽依さんの家は同じ方向で
わたしだけ別方向だった
2人の後ろ姿を見ると胸がすごく締め付けられた
そして私は今日、玲於くんを見て気付いてしまった
「お嬢さま、おかえりな…どうされたんですか」
「うぅ、…どうしよう、三田さん。私どうしようもなく好きになっちゃったよぉ」
「な、なにがですか?とりあえずこのハンカチ使って下さい」
涙がどんどん溢れて止まらなかった
玲於くんに恋してるんだ、わたし
今日、ほんとはすごく辛かった。ずっと泣きたかった。
玲於くん、芽依さんしか視界に入ってなくて
私のことなんか多分見えてなかった
恋だって気付いたと同時に失恋してしまった
叶わないって分かってるのに
玲於くんのことで頭がいっぱいで
自分ではどうにもできない
「今日はいっぱい泣きましょう。三田もお供しますよ」
「うぇーん」
三田さんはずっと背中をさすって隣に居てくれて
この日は1日中泣いた
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こじゃる(プロフ) - お話大好きです。更新頑張ってください。 (2020年4月19日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:culumi | 作成日時:2020年4月17日 23時